第1章 AI(人工知能)一問一答(全45問)
生成AIパスポート試験の第1章「AI(人工知能)」について、パスポーンがオリジナルで作った45問を、答えと解説つきで並べています。AIってそもそも何?の基礎が対象です。むずかしい言葉には言い換えを添えて説明しているので、上から読むだけでも復習になります。当サイトは非公式の学習支援サイトで、利用は無料・登録不要です。
問1「AI(人工知能)」という言葉が初めて使われたとされる、1956年に開催された会議は?
- A京都会議
- Bアシロマ会議
- Cダートマス会議
- Dジュネーブ会議
答えC ダートマス会議
AI(人工知能)という言葉は1956年のダートマス会議で初めて使われたと言われています。「ダートマス会議」=アメリカの学者たちが集まり「機械にも考えさせられるはず」と話し合った最初の会合です。
問2AIとロボットの違いについて、正しい説明はどれ?
- AAIとロボットは同じものを指す言葉で、呼び方が違うだけである
- BAIは「考える仕組み」、ロボットは「動く体」であり、両者は別物である
- CロボットはすべてAIを積んでおり、AIのない機械はロボットとは呼ばない
- DAIは体を持つ機械だけを指し、ソフトウェアはAIに含まれない
答えB AIは「考える仕組み」、ロボットは「動く体」であり、両者は別物である
AI(人工知能)は「考える・判断する仕組み=頭脳にあたる部分」、ロボットは「体を持って動く機械」を指します。AIを積んでいないロボット(単純な自動機械)もあれば、体を持たないAI(スマホの中で動くAIなど)もあります。
問3「ルールベース」のAIの説明として正しいものはどれ?
- A大量のデータからコンピューター自身が判断の基準を見つけ出して動作する
- B人間の脳の神経細胞のつながりを模した回路を使って判断する
- C試行錯誤と報酬をくり返しながら、より良い行動を自分で見つけて動作する
- Dあらかじめ人間が決めた「もし〜なら〜する」というルールに従って動作する
答えD あらかじめ人間が決めた「もし〜なら〜する」というルールに従って動作する
ルールベースとは、人間が先に「こういう時はこうする」という条件(ルール)を組んでおく方式です。データから自分で学ぶ「機械学習」とは違い、賢さの上限は人間が書いたルールの範囲に留まります。
問4「教師あり学習」の説明として正しいものはどれ?
- A正解ラベル付きのデータを使って、入力と正解の関係を学習する
- B正解が用意されていないデータからグループ分けなどのパターンを見つけ出す
- CAI自身が試行錯誤しながら報酬を最大化する行動を学ぶ
- D人間の脳のニューロンを模した回路のみで学習する
答えA 正解ラベル付きのデータを使って、入力と正解の関係を学習する
「教師あり学習」は、問題と正解がセットになったデータ(例:猫の写真+「これは猫」というラベル)を使って学習する方法です。「教師」は、正解を教えてくれる先生にあたります。
問5正解のラベルが付いていないデータから、似たもの同士をグループ分けする学習方法を何という?
- A強化学習
- B転移学習
- Cクラスタリング
- Dファインチューニング
答えC クラスタリング
クラスタリングは、正解を教えられずに「これとこれは似ている」とAI自身がグループ分けする、教師なし学習の代表的な手法です。「似た者同士を勝手に仲間分けする」とイメージすると分かりやすいです。
問6強化学習の説明として正しいものはどれ?
- A正解つきのデータを大量に与えて、入力と正解の対応関係を学ぶ
- B行動に対する「報酬」を手がかりに、より良い行動を試行錯誤しながら学ぶ
- C正解が付いていないデータを、似たもの同士のグループに自動で分ける
- Dすでに学習済みのモデルの知識を、別の課題に流用して学習の手間を減らす
答えB 行動に対する「報酬」を手がかりに、より良い行動を試行錯誤しながら学ぶ
強化学習は、AIが「行動→結果(報酬やペナルティ)→次の行動を改善」を繰り返しながら、もっと良い行動を自分で見つけていく学習方法です。ゲームで「クリアに近づいたらご褒美」を与えて上達させるイメージです。
問7人工ニューロン(ノード)を多数つなげた仕組みを何という?
- Aクラスタリング
- Bエキスパートシステム
- Cルールベースシステム
- Dニューラルネットワーク
答えD ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)とそのつながり(シナプス)を真似た仕組みを、コンピューター上に再現したものです。ニューロンに見立てた小さな計算単位(ノード)をたくさんつなげて判断します。
問8ニューラルネットワークの「層」を深く重ねて学習を行う手法を何という?
- Aディープラーニング(深層学習)
- Bノーフリーランチ定理(あらゆる問題に万能な手法は存在しないという考え方)
- C半教師あり学習(少量の正解つきデータと大量の正解なしデータを併用する方法)
- D次元削減(データの特徴の数を減らして扱いやすくする処理)
答えA ディープラーニング(深層学習)
ディープラーニング(深層学習)は、ニューラルネットワークの「層」を何層も深く重ねることで、より複雑なパターンを学習できるようにした技術です。「深い(ディープ)」=層が何層にも重なっている、という意味です。データのどこに注目すべきかという手がかり(特徴量)を、人間が教えなくても自分で見つけられるようになったことが、大きな進歩でした。
問9AIが訓練データに適合しすぎて、未知のデータにはうまく対応できなくなる現象を何という?
- A転移学習(学んだ知識を別の課題に流用する方法)
- B強化学習(試行錯誤と報酬で行動を学ぶ方法)
- C過学習(オーバーフィッティング)
- D破局的忘却(新しい学習で以前の知識を忘れてしまう現象)
答えC 過学習(オーバーフィッティング)
過学習(オーバーフィッティング)は、AIが練習問題(訓練データ)を丸暗記しすぎてしまい、応用の効かない「テスト本番に弱い優等生」のような状態になることです。これを防ぐ工夫として、覚え込みすぎにブレーキをかける「正則化」や、練習中にわざと一部の回路を休ませる「ドロップアウト」という手法があります。
問10あるタスクで学習した知識を、別の関連タスクに応用する手法を何という?
- A過学習
- B転移学習
- Cクラスタリング
- D強化学習
答えB 転移学習
転移学習は、一度覚えた知識(学習済みモデル)を、似た別の作業にも「転用」して使う手法です。「英語が得意な人はフランス語も覚えやすい」ように、ゼロから学び直すより効率よく新しいことを覚えられます。
問11特定の作業だけが得意な、現在実用化されているレベルのAIを何と呼ぶ?
- A強いAI(AGI:Artificial General Intelligence)
- Bシンギュラリティ(AIが人間の知能を超えるとされる転換点)
- CマルチモーダルAI(文章や画像など複数の種類の情報を扱えるAI)
- D弱いAI(ANI:Artificial Narrow Intelligence)
答えD 弱いAI(ANI:Artificial Narrow Intelligence)
弱いAI(ANI)とは、将棋や画像認識など「決められた特定の作業」だけが得意なAIのことです。今、世の中で実際に使われているAIのほとんどはこの「弱いAI」にあたり、人間のようになんでもこなせる「強いAI(AGI)」はまだ実現していません。
問12専門家の知識をルール化した「エキスパートシステム」が登場し、AIの実用化が期待された時期を何という?
- A第二次AIブーム
- B第一次AIブーム
- C第三次AIブーム
- DAIの冬
答えA 第二次AIブーム
第二次AIブーム(1980年代)では、専門家の知識をルール化してコンピューターに判断させる「エキスパートシステム」が登場し注目を集めました。ちなみに第一次ブームでは、迷路やパズルの答えをしらみつぶしに調べて絞り込む「探索・推論」が主役でした。第三次ブームの主役は、大量のデータ(ビッグデータ)を使った機械学習です。
問13AIが人間の知能を超える転換点を指す言葉「シンギュラリティ」の別名は?
- AAI効果
- BAIの冬
- C技術的特異点
- Dノーフリーランチ定理
答えC 技術的特異点
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、AIが人間の知能を超えて、社会が後戻りできないほど急激に変化するとされる転換点のことです。SF作家ヴァーナー・ヴィンジが源流とされ、未来学者レイ・カーツワイルが「2045年に到来する」と予測したことで有名になりました(2045年問題)。なお、AIが世の中に定着すると「あれはただの自動化だ」とAI扱いされなくなる現象は「AI効果」と呼ばれます。
問14「機械学習」の説明として最も適切なものはどれ?
- A人間があらかじめ書いたルールだけに従って、決められた手順どおりに同じ処理をくり返す仕組み
- B大量のデータからコンピューター自身がパターンや規則性を見つけ出し、判断や予測の精度を高めていく仕組み
- C人間の代わりに機械が工場で部品を組み立てたり運んだりする、産業用の自動化技術の総称
- Dコンピューターの計算速度を上げるために開発された、AI向けの専用チップや装置のこと
答えB 大量のデータからコンピューター自身がパターンや規則性を見つけ出し、判断や予測の精度を高めていく仕組み
機械学習とは、人間がルールを一つずつ教え込むのではなく、大量のデータの中からコンピューター自身がパターン(規則性)を見つけて、判断や予測がうまくなっていく仕組みのことです。第三次AIブームの主役となった技術で、教師あり学習・教師なし学習・強化学習などの方法があります。
問15過学習を防ぐ手法の一つ「アーリーストッピング」の説明として、最も適切なものはどれか。
- Aデータの一部を検証用にとっておき、AIの出来ばえを定期的にチェックし、悪化しそうな頃合いで学習を打ち切る
- Bパラメータの値が大きくなりすぎないようにペナルティをかけ、複雑になりすぎないように調整する手法
- C学習の途中で一部の人工ニューロンをランダムに選び、その出力を一時的に無視するようにする手法
- Dすでに学習を終えたモデルに、新しい目的に合わせた追加データを与えて仕上げの調整を行う手法
答えA データの一部を検証用にとっておき、AIの出来ばえを定期的にチェックし、悪化しそうな頃合いで学習を打ち切る
アーリーストッピングは、データの一部を検証用にとっておき、学習の途中でAIの出来ばえを定期的にチェックして、これ以上続けると過学習が始まりそうな頃合いで学習をストップする手法です。誤答にある「パラメータの値にペナルティをかける」は正則化、「ニューロンを休ませる」はドロップアウトの説明で、どちらも過学習対策の仲間です。
問16AI(人工知能)が写真に写っているものを認識するときに行っている処理として、最も適切な説明はどれか。
- A画像を細かい画素(ピクセル)に分け、位置や色の情報から線や形などの特徴を段階的に読み取って組み合わせる
- B画像のファイル形式をJPEGからPNGへ変換し、データの容量をできるだけ小さくする
- C画像に写っている人物の名前をインターネットで検索し、一致する結果をそのまま表示する
- Dあらかじめ人間が用意した正解の画像とピクセル単位で完全に一致するかどうかだけを比べる
答えA 画像を細かい画素(ピクセル)に分け、位置や色の情報から線や形などの特徴を段階的に読み取って組み合わせる
AIは画像を細かい画素(ピクセル)に分け、それぞれの位置情報と色情報(数値データ)を読み取ります。次に、線や形といった単純な特徴を組み合わせ、徐々に複雑な形の特徴へと積み上げていくことで、最終的に写っているものを認識します。これは、人間が無意識に「丸い」「緑色」といった特徴を組み合わせてスイカだと判断する仕組みとよく似ています。
問17「AIの冬」と呼ばれる、AI研究への期待や資金提供が急激に冷え込む時期が起きる主な理由として、最も適切なものはどれか。
- A生まれた技術が抱える限界が明らかになり、当初の期待に見合う実用的な成果を上げられなくなるため
- BAI技術が完成の域に達し、それ以上研究する必要がなくなったと判断されるため
- CAIを開発する専門の企業や研究者が世界的に不足し、開発そのものが行えなくなるため
- DAIの開発や運用にかかる電気代が高騰し、コンピューターを動かせなくなるため
答えA 生まれた技術が抱える限界が明らかになり、当初の期待に見合う実用的な成果を上げられなくなるため
「AIの冬」は、その時々の技術が抱える限界(例えば、ルールベースのシステムが複雑な問題に対応できなかったことや、専門家の知識をルール化するエキスパートシステムの手入れが大変すぎたこと)が明らかになり、人々の期待に見合う実用的な成果を上げられなくなったときに訪れます。技術が完成したからではなく、むしろ限界にぶつかって期待が冷めてしまうために起こる、という点がポイントです。
問18第一次AIブーム(1950年代後半〜1970年代)における研究の中心について、最も適切な説明はどれか。
- A迷路やパズルのように、答えの候補を一つひとつ調べて絞り込んでいく「探索・推論」が研究の中心だった
- B専門家の知識をルール化した「エキスパートシステム」の実用化が研究の中心だった
- C大量のデータ(ビッグデータ)を活用した機械学習・ディープラーニングが研究の中心だった
- D人間のフィードバックを使って対話AIの受け答えを調整する「RLHF」が研究の中心だった
答えA 迷路やパズルのように、答えの候補を一つひとつ調べて絞り込んでいく「探索・推論」が研究の中心だった
第一次AIブームでは、迷路やパズルの答えの候補を一つひとつ調べて絞り込んでいく「探索・推論」が研究の中心でした。誤答にある「エキスパートシステム」は第二次AIブーム、「ビッグデータを使った機械学習」は第三次AIブームの特徴で、「RLHF」はさらに後の生成AI時代の技術です。3つの時代の主役を混同しないようにしましょう。
問19第三次AIブーム(2010年代〜現在)における研究の中心について、最も適切な説明はどれか。
- A迷路やパズルのように、答えの候補を一つひとつ調べて絞り込んでいく「探索・推論」が研究の中心だった
- B専門家の知識をルール化した「エキスパートシステム」の実用化が研究の中心だった
- C大量のデータ(ビッグデータ)を活用した機械学習・ディープラーニングの発展が研究の中心だった
- D人間の脳の仕組みをそのまま電気信号で再現し、意識を持つロボットを作ることが研究の中心だった
答えC 大量のデータ(ビッグデータ)を活用した機械学習・ディープラーニングの発展が研究の中心だった
第三次AIブームでは、大量のデータ(ビッグデータ)を活用した機械学習・ディープラーニングの発展が研究の中心となり、実用的なAIが一気に広がりました。「探索・推論」は第一次、「エキスパートシステム」は第二次AIブームの特徴です。「意識を持つロボット」はSFの世界の話で、現実の第三次AIブームの研究とは異なります。
問20学習中にパラメータの値が大きくなりすぎないようペナルティをかけ、モデルが複雑になりすぎないようにすることで過学習を防ぐ手法を何という?
- A正則化
- Bアーリーストッピング
- Cドロップアウト
- D転移学習
答えA 正則化
正則化は、学習中にパラメータの値が大きくなりすぎないようペナルティをかけて、モデルが複雑になりすぎないように調整することで過学習を防ぐ手法です。同じ過学習対策でも、アーリーストッピングは「学習を止めるタイミング」を、ドロップアウトは「一部のニューロンを休ませること」を工夫する手法で、それぞれアプローチが異なります。
問21学習の途中で一部の人工ニューロンをランダムに選び、その出力を一時的に無効にすることで過学習を防ぐ手法を何という?
- Aドロップアウト
- B正則化
- Cアーリーストッピング
- D転移学習
答えA ドロップアウト
ドロップアウトは、学習の途中で一部の人工ニューロンをランダムに選び、その出力を一時的に無効にする(休ませる)ことで、特定のニューロンに頼りすぎないようにし、過学習を防ぐ手法です。正則化(パラメータの値の大きさを抑える)やアーリーストッピング(学習を止めるタイミングを工夫する)と並ぶ、過学習対策の代表例です。
問22エアコンや冷蔵庫の「AI搭載」は、AIの4つのレベルのうちどれにあたりますか。
- Aレベル1(決めたルールどおりに動くだけ)
- Bレベル2(多くのパターンから選び分ける)
- Cレベル3(大量のデータからルールを見つける)
- Dレベル4(注目する点も自分で見つける)
答えA レベル1(決めたルールどおりに動くだけ)
AIの説明では、働きが単純な順にレベル1〜4の4段階に分ける考え方がよく使われます。家電の「AI搭載」は、たいていレベル1です。中身は条件分岐(もし〜ならこうする、という枝分かれ)を並べた制御プログラムで、あらかじめ決めた手順の外には出ません。レベルが上がるほど、人が手を貸す範囲は減っていきます。
問23機械学習を使うレベル3のAIと、ディープラーニングを使うレベル4のAIの、いちばん大きな違いはどこですか。
- A注目すべき点を人が教えるか、自分で見つけるか
- B電気をたくさん使うか、少しで足りるか
- Cインターネットにつながるか、つながらないか
- D日本語を扱えるか、英語だけしか扱えないか
答えA 注目すべき点を人が教えるか、自分で見つけるか
レベル3では、データのどこに注目すればよいかという手がかり(特徴量=色や形など、AIが判断の材料にする要素)を人間が決めてやる必要があります。レベル4は、その手がかり選びまで自分で行います。どこまで人が手を貸すか、が両者の境目です。
問24「レベル2のAI」の例として最も適切なものはどれですか。
- A決められたパターンで受け答えするチャットボット
- B気温に合わせて自動で風量を変えるエアコン
- C大量の記事から最適な順位を学ぶ検索エンジン
- D周りの状況を判断しながら走る自動運転の車
答えA 決められたパターンで受け答えするチャットボット
レベル2は、探索や推論、知識を使って、非常に多くの行動パターンの中から次の一手を選び分けます。決められたパターンで受け答えするチャットボットやお掃除ロボットが代表例です。誤答はそれぞれ、エアコンがレベル1、検索エンジンがレベル3、自動運転がレベル4にあたります。
問25スマートスピーカーや自動運転など、いま実際に使われているAIはどちらにあたりますか。
- AANI(決まった仕事に限って力を発揮するAI)
- BAGI(どんな知的な仕事でもこなせるAI)
- CANIとAGIの中間にあたる第三の種類
- Dその時々でどちらにも変わるので決まらない
答えA ANI(決まった仕事に限って力を発揮するAI)
身の回りで動いているAIは、すべてANI(Artificial Narrow Intelligence=特定の仕事に特化したAI、日本語では弱いAI)です。迷惑メールの振り分けも音声認識もここに入ります。AGI(Artificial General Intelligence=強いAI)は、まだ実現していない考え方の上の存在です。
問26強いAI(AGI)の現在の状況として、最も適切な説明はどれですか。
- Aまだ実現しておらず、研究が続いている段階
- Bすでに複数の会社が商品として売り出している
- C一部の国だけが法律で使用を認めている
- D実現しているが公開が禁じられているだけ
答えA まだ実現しておらず、研究が続いている段階
AGI(強いAI)は、研究者が目指している目標であって、現時点では存在しません。一方でANI(弱いAI)の進歩は速く、その勢いを見て「AI全体がAGIに近づいている」と受け取られやすい点が、誤解のもとになっています。試験では、この取り違えがよく問われます。
問27「AI効果」とは、どのような現象を指しますか。
- A実現できたことが、あとから「ただの自動化」と見なされる
- B学習に使ったデータに合わせすぎて、初めて見るデータに弱くなる
- C事実でないことを、本当のことのようにもっともらしく話す
- DAIを使う人ほど、AIを信用しなくなっていく
答えA 実現できたことが、あとから「ただの自動化」と見なされる
かつてAIの成果とされた技術も、社会に行き渡ると「これは単なる自動処理だ」と見なされ、AIと呼ばれなくなっていきます。AI効果とは、この見方の移り変わりのことです。そのため「AIにはまだ何もできていない」と受け取られやすい面もあります。
問28「AI効果」の例として、最も適切なものはどれですか。
- A文字認識が広く普及したあと「単なる自動処理だ」と言われる
- B新しいAIが出るたびに、前の世代のAIが使えなくなる
- CAIの研究費が、景気によって増えたり減ったりする
- DAIが人間の知能を超える時点が来ると予想されている
答えA 文字認識が広く普及したあと「単なる自動処理だ」と言われる
手書き文字の読み取りや将棋の対局のように、かつては最先端だった技術も、身近になると「仕組みが分かってしまえば自動処理にすぎない」と扱われます。誤答の最後にある「人間の知能を超える時点」はシンギュラリティ(技術的特異点)のことで、別の言葉です。
問29ニューラルネットワークは、入ってきた情報をどれくらい重視するかを表す数値を、学習によって少しずつ調整していきます。この数値を何という?
- A重み
- Bニューロン
- Cシナプス
- D特徴量
答えA 重み
答えは「重み」。ニューラルネットワークは、入ってきた情報のどれをどれくらい重視するかに点数をつけて足し合わせています。この点数が重み(情報の重みづけ)です。学習とは、正解に近づくように重みを少しずつ調整していく作業のことです。
問30学習を終えて、そのまま使える状態になったAIの中身を何と呼ぶ?
- A学習済みモデル
- Bデータセット
- C特徴量
- Dエキスパートシステム
答えA 学習済みモデル
答えは「学習済みモデル」。学習を終えて、そのまま使える状態になったAIの中身のことです。ゼロから学び直させるのではなく、これを土台にして別の作業へ応用するのが転移学習(学んだ知識の使い回し)、追加のデータで仕上げを整えるのがファインチューニング(追加調整)です。
問31正解のラベルを与えずにデータを渡し、その中にある特徴やまとまりをAI自身に見つけさせる学習の種類はどれ?
- A教師なし学習
- B教師あり学習
- C強化学習
- D半教師あり学習
答えA 教師なし学習
答えは「教師なし学習」。正解のラベルを使わない学び方のことです。データを渡すだけで、どれとどれが似ているかといった性質を、AI自身に見つけさせます。似た者同士を仲間分けするクラスタリング、データの特徴の数を減らす次元削減が代表的な使い道です。
問32教師なし学習の使い道のうち、データが持つ特徴の数を減らして扱いやすくする処理を何という?
- A次元削減
- B正則化
- Cドロップアウト
- Dクラスタリング
答えA 次元削減
答えは「次元削減」。データが持つ特徴の数(次元)が多すぎると、計算が重くなり、全体の見通しも悪くなります。そこで大事な情報をできるだけ残したまま、少ない数の特徴で表し直すのが次元削減です。教師なし学習(正解ラベルを使わない学び方)の代表的な使い道の一つで、データを圧縮して扱うモデルでも使われます。
問33少しだけ用意した正解つきのデータと、大量の正解なしデータを組み合わせて学習する方法を何という?
- A半教師あり学習
- B教師あり学習
- C強化学習
- Dディープラーニング
答えA 半教師あり学習
答えは「半教師あり学習」(少量の正解つきデータと、大量の正解なしデータを混ぜて使う方法)。正解つきのデータをそろえるには人手と時間がかかるので、一部にだけ正解を付け、残りは正解なしのまま一緒に学習させます。教師あり学習(正解つきだけ)と教師なし学習(正解なしだけ)の中間にあたる、いいとこ取りのやり方です。
問34機械学習における「ノーフリーランチ定理」の説明として、最も適切なものはどれ?
- Aあらゆる問題に対して万能に良い成績を出す手法は存在しない
- B学習データを増やせば増やすほど、精度は必ず上がり続ける
- C層を深く重ねるほど、どんな問題でも精度が上がっていく
- D正解ラベルのないデータからは、何も学ぶことができない
答えA あらゆる問題に対して万能に良い成績を出す手法は存在しない
答えは「あらゆる問題に対して万能に良い成績を出す手法は存在しない」。ノーフリーランチ定理は、直訳すると「ただ飯はない」という意味です。どんな課題にも一番よく効く万能の手法は無い、という考え方を表しています。だからこそ機械学習(データから規則性を見つける仕組み)では、解きたい問題に合わせて手法を選ぶ必要があります。
問35人間の脳で、神経細胞どうしのつなぎ目にあたる部分を何と呼ぶ?
- Aシナプス
- B人工ニューロン
- C情報の重みづけ
- D特徴量
答えA シナプス
答えは「シナプス」。脳の神経細胞(ニューロン)どうしのつなぎ目のことで、つながりの強さが記憶や学習に関わるとされています。ニューラルネットワーク(脳のしくみをまねた仕組み)はこの形を借りていて、シナプスの強さにあたるものが「重み」です。
問36ニューラルネットワークの「情報の重みづけ」と「層の数」は、それぞれどう決まる?
- A情報の重みづけは学習で変わり、層の数は学習の前に人が決める
- B情報の重みづけは学習の前に人が決め、層の数は学習で変わる
- Cどちらも学習の前に人が決めるので、学習では変わらない
- Dどちらも学習によって自動的に変わり、人は決めない
答えA 情報の重みづけは学習で変わり、層の数は学習の前に人が決める
答えは「情報の重みづけは学習で変わり、層の数は学習の前に人が決める」。ニューラルネットワーク(脳のしくみをまねた仕組み)で、学習によって動くのは、どの入力をどれくらい重視するかという情報の重みづけの側です。層を何層にするか、人工ニューロンを何個置くかは、学習を始める前に人が決める設計にあたります。何が動いて何が動かないかを分けておくと、「学習」という言葉の中身がはっきりします。
問37AIが判断の手がかりにする、データの性質を数値で表したものを何という?
- A特徴量
- B重み
- C学習済みモデル
- Dデータセット
答えA 特徴量
答えは「特徴量」。たとえば果物を見分けるAIなら、色・大きさ・形といった「どこを見れば区別できるか」の手がかりを数値にしたものが特徴量です。機械学習(データから規則性を見つける仕組み)ではこの手がかりを人が決めますが、ディープラーニング(層を深く重ねる手法)ではAIが自分で見つけられるようになりました。
問381993年の論文でシンギュラリティ(技術的特異点)を論じ、広く知らせたアメリカのSF作家・数学者は誰?
- Aヴァーナー・ヴィンジ
- Bレイ・カーツワイル
- Cジョン・マッカーシー
- Dアラン・チューリング
答えA ヴァーナー・ヴィンジ
答えは「ヴァーナー・ヴィンジ」。シンギュラリティ(技術的特異点=AIが人間の知能を超え、社会が後戻りできないほど急に変わるとされる転換点)を1993年の論文で論じ、この考え方を広く知らせたアメリカのSF作家・数学者です。似た着想はそれ以前からありましたが、この論文をきっかけに広く知られるようになりました。なお、到来の時期を2045年ごろと予測した未来学者はレイ・カーツワイルです。
問39レイ・カーツワイルがシンギュラリティ(技術的特異点)の到来を2045年ごろと予測したことから、日本で使われている呼び名はどれ?
- A2045年問題
- B2000年問題
- CAI効果
- D第三次AIブーム
答えA 2045年問題
答えは「2045年問題」。未来学者レイ・カーツワイルが、AIが人間の知能を超えて社会が大きく変わるシンギュラリティ(技術的特異点)の到来を2045年ごろと予測したことから、日本ではこう呼ばれています。あくまで予測の一つであり、時期については専門家の間でも見方が分かれています。
問40教師なし学習の使い道として適切なものを2つ選びなさい。
- A似ているデータどうしを仲間分けするクラスタリング
- Bデータが持つ特徴の数を減らす次元削減
- C正解ラベル付きの写真から犬と猫を見分ける分類
- D過去の気温と売上から明日の売上額を当てる回帰
答えA 似ているデータどうしを仲間分けするクラスタリング / B データが持つ特徴の数を減らす次元削減
答えは「クラスタリング」と「次元削減」。どちらも正解ラベル(この写真は犬、という答え)を使わず、データそのものが持つ性質を手がかりにします。クラスタリング=似たもの同士の仲間分け、次元削減=データの特徴の数を減らして扱いやすくすることです。分類と回帰は正解ラベルを使って学ぶので、教師あり学習(正解つきのデータで学ぶ方法)の側になります。
問41過学習を防ぐ工夫として適切なものを2つ選びなさい。
- A学習の途中で一部のノードの出力を無効にする
- B検証用のデータで様子を見て、悪くなる前に打ち切る
- C学習に使ったデータと同じデータで最終評価を行う
- D層と重みをできるだけ増やして表現力を上げる
答えA 学習の途中で一部のノードの出力を無効にする / B 検証用のデータで様子を見て、悪くなる前に打ち切る
答えは、学習の途中で一部のノードを休ませる工夫(ドロップアウト)と、悪くなる前に学習を打ち切る工夫(アーリーストッピング)です。過学習(学習に使ったデータに合わせすぎて、初めて見るデータに弱くなること)は、モデルが学習データを覚え込みすぎると起きます。だから、覚え込ませない方向の工夫が効きます。
問42ディープラーニングについて、不適切な説明を1つ選びなさい。
- A層を深く重ねるほど、必要なデータや計算の量は減っていく
- Bニューラルネットワークの層を深く重ねた仕組みである
- C判断の手がかりになる特徴を、データから自分で見つけ出せる
- D画像や音声のように、規則を言葉で書き表しにくい対象を得意とする
答えA 層を深く重ねるほど、必要なデータや計算の量は減っていく
誤っているのは「必要なデータや計算の量は減っていく」。逆です。層を深くするほど調整すべき数値が増えるので、学習に要するデータの量も計算の量も増えます。ディープラーニング(深層学習)が広まったのは、大量のデータと計算力が手に入るようになった第三次AIブーム以降でした。
問43AIのレベル1〜4の説明として、不適切なものを1つ選びなさい。
- Aレベル4になると、AIは自分で目標そのものを決められる
- Bレベル1は、あらかじめ決めた通りに動く家電などが当てはまる
- Cレベル2は、状況に応じて受け答えの型を選ぶ仕組みが当てはまる
- Dレベル3は、データから規則を学ぶ機械学習を使う段階を指す
答えA レベル4になると、AIは自分で目標そのものを決められる
誤っているのは「自分で目標そのものを決められる」。レベル4の違いは、注目すべき手がかり(特徴量)を人が教えなくても自分で見つけられることであって、目標を自分で決めることではありません。何を目指すかを決めるのは、いまも人の側です。
問44転移学習の説明として、不適切なものを1つ選びなさい。
- Aもとの学習で使ったデータを、そのまま新しい作業にも使い直す
- B別の作業で学んだ知識を、関連する作業に応用する手法である
- Cゼロから学び直すより、少ないデータと時間で済むことが多い
- Dもとのモデルが学んだ特徴のとらえ方を、新しい作業でも使う
答えA もとの学習で使ったデータを、そのまま新しい作業にも使い直す
誤っているのは「もとのデータをそのまま使い直す」。転移学習(学んだ知識を別の作業へ持っていくこと)が使い回すのは、データではなく学習済みモデルが身につけた知識のほうです。土台になるモデルを持ってきて、新しい作業に必要な分だけ追加で学ばせます。だから、ゼロから学び直すより少ないデータで済みます。
問45弱いAI(ANI)と強いAI(AGI)について、不適切な説明を1つ選びなさい。
- AAGIはすでに実用化され、日常のサービスに組み込まれている
- BANIは、決まった仕事に限って力を発揮するAIを指す
- Cいま実際に使われているAIは、ほぼANIにあたる
- DAGIは、人間のように幅広い課題に対応できるAIを指す
答えA AGIはすでに実用化され、日常のサービスに組み込まれている
誤っているのは「AGIはすでに実用化され」。AGI(強いAI)はまだ実現しておらず、研究が続いている段階です。いま身の回りで動いているAIは、翻訳や画像認識のように用途を絞ったANI(弱いAI)にあたります。
並んだ2語
同じ問題の選択肢に並んだことがある語をならべています。4問・成績には入りません。
1 / 4
「学習を終えて、そのまま使える状態になったAIの中身。」はどちら?
最終更新:(運営:Meritorious)
パスポーン