第3章 現在の生成AIの動向一問一答(全40問)
生成AIパスポート試験の第3章「現在の生成AIの動向」について、パスポーンがオリジナルで作った40問を、答えと解説つきで並べています。ディープフェイク・RAG・AIエージェントが対象です。専門用語は使わずに説明しているので、上から読むだけでも復習になります。当サイトは非公式の学習支援サイトで、利用は無料・登録不要です。
問1画像生成AIの学習でよく行われる「データの水増し(データ拡張、augmentation)」とは、どのような処理か。
- A手持ちの画像を回転・反転・拡大縮小するなどして、少ない元データから多くの学習用画像を作り出す処理
- B集めた画像から個人が写り込んだものを取り除き、学習に使ってよい画像だけを選び出す処理
- C画像の大きさや明るさの数値をそろえて、学習の前にデータの形式を統一しておく処理
- Dよく似た画像を探して重複を削除し、学習データ全体の量を絞り込む処理
答えA 手持ちの画像を回転・反転・拡大縮小するなどして、少ない元データから多くの学習用画像を作り出す処理
「データの水増し(拡張、augmentation)」とは、もとの画像を回転させたり、反転させたり、明るさを変えたりして、少ない枚数の写真から多くの練習問題(学習データ)を作り出す工夫のことです。生成AI(絵や文章などを新しく作り出すAI)は大量のデータで練習するほど上手になるため、この工夫でデータ不足を補います。学習の前には、画像の大きさをそろえる「リサイズ」や、明るさなどの数値の範囲をそろえる「正規化」といった下ごしらえも行われます。
問2生成AIを使った「音楽生成」の使い方として、最も適切なものはどれか。
- A録音した会議の音声を自動で聞き取り、その内容を文字の議事録に変換する
- Bジャンルや雰囲気を指定すると、AIが自動で新しいメロディーや伴奏を作り出す
- C写真の中から人物の顔の部分だけを見つけ出して、自動できれいに切り抜く
- D長時間の動画から見どころを選び出して、短いダイジェスト版に自動でまとめる
答えB ジャンルや雰囲気を指定すると、AIが自動で新しいメロディーや伴奏を作り出す
音楽生成AIとは、「明るい感じのポップス」のようにジャンルや雰囲気を指定するだけで、AI自身がメロディー(曲の主な旋律)や伴奏を新しく作り出してくれる生成AI(何もないところから新しい作品を作り出すAI)のことです。作曲の知識がなくても曲を作れるのが特徴です。
問3生成AIを使った「音声生成」の使い方として、最も適切なものはどれか。
- A録音した会議の音声を聞き取り、話した内容をそのまま文字のデータに書き起こす
- B曲の雰囲気やテンポを読み取って、その曲に合うジャンル名を自動で分類する
- C文字で書いた原稿を入力すると、人間の声に近い自然な話し方の音声に変換する
- D写真に写った人物の表情から、その人のおおよその年齢や感情を推定する
答えC 文字で書いた原稿を入力すると、人間の声に近い自然な話し方の音声に変換する
音声生成AIとは、書いた文章(テキスト)を入力すると、まるで人間が話しているような自然な声に変えてくれる生成AI(新しいものを作り出すAI)です。テレビ番組などに付けるナレーション(説明のための語り)や文章の読み上げなど、人が実際にしゃべらなくても音声を作れるようになります。
問4次のうち、文章(テキスト)を生成する生成AIの代表例として適切な組み合わせはどれか。
- ASoraとVeo3
- BMidjourneyとStable Diffusion
- CElevenLabsとSuno
- DClaudeとGemini
答えD ClaudeとGemini
Claude(アンソロピック社が作ったAI)やGemini(グーグル社が作ったAI)は、文章を読んで質問に答えたり、文章を作ったりすることを得意とする「テキスト生成AI」の代表例です。一方でSoraやVeo3は動画を作るAIなので、種類が異なります。
問5次のうち、動画を生成する生成AIサービスとして適切な組み合わせはどれか。
- AClaudeとGemini
- BSoraとVeo3
- CGenSparkとManus
- DChatGPTとGemini
答えB SoraとVeo3
Sora(オープンAI社が作った動画生成AI)やVeo3(グーグル社が作った動画生成AI)は、文章で「こんな映像を作って」と指示するだけで、新しい動画を作り出してくれる生成AIです。ClaudeやGeminiは主に文章のやり取りを得意とするAIなので、役割が異なります。
問6「ディープフェイク(深層偽造)」とは何か。
- A深層学習(ディープラーニング、AIが大量データから特徴を学ぶ方法)を使って、実在の人物そっくりの偽の映像や音声を作り出す技術
- B大量の個人データからダミーの数値を作り、本人を特定できない形に加工して統計分析に使えるようにする技術
- C低画質の古い映像をAIで補完し、実際の撮影当時よりも鮮明な高解像度映像へ復元する超解像と呼ばれる技術
- Dカメラに写った顔の特徴点を登録済みのデータと照合し、本人かどうかを自動で判定する顔認証の技術
答えA 深層学習(ディープラーニング、AIが大量データから特徴を学ぶ方法)を使って、実在の人物そっくりの偽の映像や音声を作り出す技術
ディープフェイクとは、深層学習(ディープラーニング、AIが大量のデータからパターンを覚える学習方法)を使って、実際にはその人が言っていない言葉をしゃべっているかのような、本物そっくりの偽の映像や音声を作る技術です。見た目や声が本物に近いため、だまされやすいことが問題になっています。
問7ディープフェイク技術が悪用されて実際に起きている問題として、最も適切なものはどれか。
- Aディープフェイクの映像は画質が粗く不自然に見えるため、誰でもひと目で偽物だと見分けられるようになっている
- Bディープフェイクは音声にしか使えない技術のため、映像を偽造した詐欺は起きていない
- C会社の経営者になりすました偽の映像や音声を使って、社員をだまし、お金を振り込ませる詐欺事件
- Dディープフェイクを作るには高価な専門機材が必要なため、一般の人が悪用することはほとんどない
答えC 会社の経営者になりすました偽の映像や音声を使って、社員をだまし、お金を振り込ませる詐欺事件
ディープフェイクを悪用すると、会社の社長そっくりの偽の声や映像を作り、それを使って社員に「至急送金してほしい」とだまして、実際にお金をだまし取る詐欺事件が世界各地で起きています。本物と見分けがつきにくいため、被害が大きくなりやすいのです。
問8ディープフェイクが「ディスインフォメーション(偽情報)」の拡散に悪用される、とはどのようなことか。
- A速報性を重視するあまり、誤字や数値の間違いを含んだままニュース記事を配信してしまうこと
- B取材で得た情報の出どころをあえて明かさず、「関係者への取材によると」といった形で報道すること
- C個人の閲覧履歴や興味に合わせて、一人ひとりに違う内容の広告を自動で表示して商品を売り込むこと
- D本物そっくりに作られた偽の映像や音声を使い、事実ではない情報をまるで本当のことのように見せかけて世の中に広めること
答えD 本物そっくりに作られた偽の映像や音声を使い、事実ではない情報をまるで本当のことのように見せかけて世の中に広めること
ディスインフォメーション(意図的に流される偽の情報)は、ディープフェイクによってより信じ込ませやすくなります。本物そっくりの偽動画や偽音声を使うことで、うそをまるで本当の出来事のように見せかけて広めてしまうことが問題視されています。
問9「RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)」とは、どのような仕組みか。
- Aモデルのパラメータ(内部の数値)を大幅に増やして、より多くの知識を記憶できるようにする仕組み
- B生成AIが回答する前に、外部の文書やデータベースから関連する情報を検索してきて、それをもとに回答を組み立てる仕組み
- C生成した回答を別のAIにもう一度読ませて、言い回しの不自然なところを自動で見つけて修正させる仕組み
- D利用者との過去の会話の内容をすべて記憶しておき、次の質問でも前の話題を引き継ぎながら答える仕組み
答えB 生成AIが回答する前に、外部の文書やデータベースから関連する情報を検索してきて、それをもとに回答を組み立てる仕組み
RAG(検索拡張生成)とは、AIがいきなり自分の記憶だけで答えるのではなく、まず外部の文書やデータベースから関係のありそうな情報を検索してきて、それを参考にしながら答えを作る仕組みです。調べものをしてからレポートを書く、というイメージに近いです。
問10RAGを使うと、生成AIが事実と異なる内容をもっともらしく話してしまう「ハルシネーション」が起きにくくなるのはなぜか。
- A実在する文書やデータベースを検索し、その内容を根拠にしながら回答を組み立てるようになるから
- B回答を組み立てる前に人間の担当者が質問を検閲し、答えられない質問をあらかじめ取り除くから
- C利用者の質問文をAIが言い換えて、答えやすい簡単な質問に置き換えてから回答するから
- DAIが自信のない答えをすべて拒否して、確実に知っている定型文だけを返すようになるから
答えA 実在する文書やデータベースを検索し、その内容を根拠にしながら回答を組み立てるようになるから
ハルシネーションとは、AIが事実ではないことを、まるで本当のことのように自信満々に話してしまう現象です。RAG(検索して調べてから答える仕組み)を使うと、AIは自分の想像だけで答えるのではなく、実際に存在する文書を検索して、その内容を根拠に回答するので、事実と違う答えが減りやすくなります。
問11RAGの仕組みで使われる「チャンク」とは何か。
- AAIが検索した文書のうち、最も新しいものだけを選び出す並べ替えの処理
- B利用者が入力した質問を、AIが読み取れる数値の並びに変換したもの
- C検索しやすいように、文書を意味のまとまりごとに小さく分割したかたまり
- D検索した文書をそのまま丸ごとAIに渡すときの、受け渡し用のファイル形式
答えC 検索しやすいように、文書を意味のまとまりごとに小さく分割したかたまり
チャンクとは、長い文書をそのまま検索するのではなく、あとで探しやすいように、意味のまとまりごとに小さく切り分けた「かたまり」のことです。本を章や段落ごとに分けておくと必要な部分を見つけやすいのと同じ考え方です。
問12RAGの仕組みで使われる「ベクトルデータベース」とは何か。
- A利用者のIDとパスワードを暗号化した上で保管し、ログインのたびに照合を行う認証用のデータベース
- B日々の売上の数字を行と列の表の形で記録し、集計やグラフ作成に使う表計算型のデータベース
- C撮影した画像や動画のファイルをそのままの形式で保管しておく、クラウド上の保存専用のデータベース
- D文章の意味を数値の列(ベクトル)に変換して保存し、意味が似ている文章同士を検索できるようにしたデータベース
答えD 文章の意味を数値の列(ベクトル)に変換して保存し、意味が似ている文章同士を検索できるようにしたデータベース
ベクトルデータベースとは、文章の意味を数字の並び(ベクトル)に変換してから保存しておくデータベースです。こうしておくと、言葉づかいが違っても意味が近い文章同士を見つけ出す検索ができるようになります。
問13RAGを導入しても、生成AIの回答があまり改善しないことがある。その主な原因として最も適切なものはどれか。
- A検索対象の文書に必要な情報がそもそも含まれていなかったり、検索がうまく関連文書を見つけられなかったりする場合
- BAIモデルの規模が大きすぎて、検索した文書を読み込む処理そのものが追いつかなくなる場合
- C生成AIのモデルを最新版に更新しておらず、モデル自体の知識が古いままになっている場合
- D生成AIが検索した文書を毎回そのまま一字一句コピーして答えるため、文章が読みにくくなる場合
答えA 検索対象の文書に必要な情報がそもそも含まれていなかったり、検索がうまく関連文書を見つけられなかったりする場合
RAG(検索してから答える仕組み)は、検索対象の文書に必要な情報が入っていなかったり、検索がうまく関連する文書を見つけられなかったりすると、十分な効果を発揮できません。「検索を挟めば必ず正確になる」わけではなく、検索元の文書の質や検索の精度も重要になります。
問14企業が社内マニュアルや最新の社内資料をRAGの検索対象にすることの主なメリットは何か。
- AAIモデル自体を新しく作り直さなくても、社内特有の情報や最新の情報にもとづいた回答をAIにさせられること
- B社内の全パソコンの処理速度が上がり、どんな業務アプリでも動作が目に見えて速くなること
- C社員が資料を読む必要が完全になくなり、教育や研修そのものを廃止できるようになること
- Dインターネットに接続しなくても、クラウド上のAIサービスを利用できるようになること
答えA AIモデル自体を新しく作り直さなくても、社内特有の情報や最新の情報にもとづいた回答をAIにさせられること
生成AIのモデル自体を作り直す(再学習する)のは大変で時間もお金もかかります。RAG(外部の文書を検索してから答えを作る仕組み)を使えば、社内マニュアルなど最新の資料を検索対象に加えるだけで、モデルを作り直さずに、その会社ならではの情報をふまえた回答をAIにさせられるようになります。
問15RAGの活用事例として、最も適切なものはどれか。
- A利用者の過去の購入履歴や閲覧の傾向を分析して、好みに合いそうな商品を自動でおすすめしてくれるネット通販の推薦機能
- B会議の音声をその場で自動的に文字へ起こし、発言者ごとに発言内容を整理した議事録を作り上げてくれる文字起こしサービス
- C社内の規定集やマニュアルを検索対象にしておき、社員からの質問に対して根拠となる文書を示しながら答える社内向けチャットボット
- D紙の申込書をスキャナーで読み取り、手書きの記入内容を認識して自動でシステムにデータ入力してくれるOCRの仕組み
答えC 社内の規定集やマニュアルを検索対象にしておき、社員からの質問に対して根拠となる文書を示しながら答える社内向けチャットボット
RAG(質問に関係する文書を検索してから回答を作る仕組み)の代表的な使い道の一つは、社内の規定集やマニュアルをあらかじめ検索できるようにしておき、社員が質問すると「この資料のこの部分に書いてあります」と根拠を示しながら答えてくれるチャットボット(自動で会話するプログラム)です。答えの出どころがはっきりするので、信頼しやすくなります。
問16「AIエージェント」とは、どのようなAIか。
- A人間があらかじめ用意した会話文を、順番どおりにそのまま読み上げるだけのAI
- B決まった質問に対して、決まった答えだけを返す単純な自動応答プログラム
- C画像や文章を一枚ずつ人が手作業で確認するときに、作業を補助するためのツール
- D与えられた目標に対して、自分で計画を立てながら、複数の作業を自律的に実行していくAI
答えD 与えられた目標に対して、自分で計画を立てながら、複数の作業を自律的に実行していくAI
AIエージェントとは、「〇〇をやっておいて」という目標だけを人間から与えられると、あとはAI自身が「まず何をして、次に何をするか」という計画を立て、複数の作業を自分の判断で最後まで進めてくれるAIのことです。一問一答で終わる従来のチャットAIとは違い、自律的(自分で判断して動く)に働くのが特徴です。
問17多くのAIエージェントに共通する動き方として、最も適切なものはどれか。
- A目標達成までの計画を最初に一度だけ立て、途中の結果がどうであっても、最後まで最初の計画のとおりに作業を進める
- B目標を達成するまで、計画を立てる→実行する→結果を確認して次の行動を決める、という流れを繰り返す
- C目標ではなく作業の手順を人間が一つずつ指示したときにだけ、次の作業へ進む
- D外部のツールやサービスには接続せず、自分の知識の範囲での会話の受け答えだけを行う
答えB 目標を達成するまで、計画を立てる→実行する→結果を確認して次の行動を決める、という流れを繰り返す
AIエージェント(目標を与えると自分で考えて動くAI)は、目標が達成できるまで「計画を立てる」「実際にやってみる」「うまくいったか確認して次を考える」という一連の流れを、人間に細かく指示されなくても自分で繰り返します。この繰り返し(ループ)が、AIエージェントらしさのポイントです。
問18次のうち、「AIエージェント」のツール(サービス)として挙げられる組み合わせとして正しいものはどれか。
- AGenSpark、Manus、Skywork AI
- BPhotoshop、Illustrator、Premiere
- CExcel、Word、PowerPoint
- DChrome、Safari、Edge
答えA GenSpark、Manus、Skywork AI
GenSpark、Manus、Skywork AIは、目標を伝えるだけで自律的(自分の判断で)に複数の作業をこなしてくれる「AIエージェント(目標達成に向けて自分で考えて動くAI)」のサービス事例として知られています。一方でPhotoshopやExcel、Chromeなどは、AIエージェントではなく、それぞれ画像編集・文書作成・ブラウザといった別の目的のソフトです。
問19「MCP(Model Context Protocol)」とは何か。
- AAIエージェントの内部で使われる計算のパラメータ数を減らすための圧縮方式の一つ
- BAIが生成した文章の中にウイルスが紛れ込んでいないかを検知するためのソフトの名前
- CAIエージェントが外部のツールやデータ、サービスと連携するためのやり取りの手順を定めた共通の規格
- DAIモデルが学習に使った画像データを保存しておくための専用ファイル形式の一つ
答えC AIエージェントが外部のツールやデータ、サービスと連携するためのやり取りの手順を定めた共通の規格
MCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)とは、AIエージェント(目標を与えると自分で考えて動くAI)が、カレンダーや検索、社内システムなどの外部のツールやサービスとやり取りするときの「共通のルールブック(規格)」のようなものです。この共通ルールがあることで、AIエージェントはいろいろな外部サービスとスムーズにつながれるようになります。
問20AIエージェントがMCP(共通の連携規格)を使うことの主なメリットは何か。
- AAIエージェントが接続できる外部サービスの種類が、あらかじめ決められた数に制限されるようになる
- BAIエージェントが一度に処理できる会話の文字数の上限が、接続するサービスの数に応じて引き上げられる
- CAIエージェントが外部サービスと通信する際の暗号化の強度が、規格に合わせて自動的に引き上げられる
- Dツールやサービスごとに個別のつなぎ込み方法を一から作らなくても、共通の手順でさまざまな外部サービスと連携できるようになる
答えD ツールやサービスごとに個別のつなぎ込み方法を一から作らなくても、共通の手順でさまざまな外部サービスと連携できるようになる
MCP(AIエージェントが外部サービスとつながるための共通ルール)のような規格がないと、AIエージェント(目標を与えると自分で考えて動くAI)は、つなげたいサービス一つひとつに合わせて、別々のつなぎ込み方法(接続の仕組み)を作らなければなりません。共通規格のMCPを使えば、同じ手順でいろいろな外部サービスとつながれるので、開発の手間が大きく減ります。
問21AIエージェントを業務で使う際に、特に注意すべき点として最も適切なものはどれか。
- AAIエージェントは人間の確認なしに複数の作業を自律的に進められるため、送金やデータ削除など重要な操作の前には人間が確認できる仕組みを用意しておくことが望ましい
- BAIエージェントは目標を与えた人間の意図を完全に理解してから作業を始めるため、指示さえ明確に書いておけば、途中経過を人間が確認する仕組みは用意しなくてよい
- CAIエージェントが業務で扱えるのは調べ物や資料作成のような読み取り中心の作業だけで、送金やデータの更新のような操作をともなう作業には接続できない設計になっている
- DAIエージェントの動作はすべて事前に決められた手順書のとおりに進むため、手順書の内容さえ点検しておけば、実行のたびに人間が結果を確かめなくてもよい
答えA AIエージェントは人間の確認なしに複数の作業を自律的に進められるため、送金やデータ削除など重要な操作の前には人間が確認できる仕組みを用意しておくことが望ましい
AIエージェント(目標を与えると自分で考えて動くAI)は、人間が逐一指示しなくても複数の作業を自律的に進められる分、意図しない操作や誤った判断をそのまま実行してしまうリスクもあります。特に送金やデータの削除など重要な操作の前には、人間が内容を確認できるチェックポイントを用意しておくことが大切です。
問22ディープフェイクによる偽の映像や音声にだまされないための心構えとして、最も適切なものはどれか。
- A動画として投稿されている情報は加工がむずかしいため、文章だけの情報より信頼できると考える
- B有名人が自分の口で話している映像であれば、本人が実際に話した内容だと判断してよい
- C衝撃的な映像ほど、発信元は誰か・信頼できる他の報道でも伝えられているかを確かめてから信じる・広める
- D家族や上司の声で電話がかかってきたら、声が本人のものなら内容も本人の意思だと判断してよい
答えC 衝撃的な映像ほど、発信元は誰か・信頼できる他の報道でも伝えられているかを確かめてから信じる・広める
ディープフェイクは本物と見分けがつきにくいため、「映像や音声だから本物」という思い込みが通用しなくなっています。衝撃的な情報ほど、発信元はどこか、信頼できる他の報道でも同じ内容が伝えられているかを確かめてから信じる・共有することが大切です。お金に関わる急な連絡は、一度電話を切って本人の別の連絡先にかけ直す、といった確認も有効です。
問23テキスト生成AIが文章を作れるのは、どの技術を組み合わせているからですか。
- A自然言語処理と機械学習
- B画像認識と音声合成
- C暗号化技術と圧縮技術
- D位置情報と検索履歴
答えA 自然言語処理と機械学習
自然言語処理(NLP=コンピュータが日本語や英語のような人の言葉を扱うための技術のまとめ)と機械学習を組み合わせ、大量の文章からパターンや構造を学び取って新しい文章を作ります。学習の材料には、Web上の文章・書籍・ニュース記事・会話のデータなどが使われます。
問24テキスト生成AIを使うときの注意点として、最も適切なものはどれですか。
- A誤った内容が混じることがあるので、人が確かめる
- B文法の誤りが多いので、必ず校正してから使う
- C同じ質問には毎回同じ文章しか返らないと考える
- D出力された文章はすべて出典が明記されている
答えA 誤った内容が混じることがあるので、人が確かめる
大量のデータを学んでいても、事実と違う内容や作り話が混じることがあります。文法やスペルの体裁は整っているぶん、かえって正しそうに見えてしまうので、内容の正しさは人が確かめる前提で使います。
問25生成AIが偏った表現や差別的な表現を出してしまう、いちばんの原因はどれですか。
- A学習に使ったデータそのものに偏りがあるから
- B利用者の質問が短すぎて意図が伝わらないから
- C通信が不安定で文章が途中で切れてしまうから
- D生成AIが自分の意見や感情を持っているから
答えA 学習に使ったデータそのものに偏りがあるから
AIは学んだデータの傾向をそのまま映します。学習データに偏りがあれば、出てくる文章にも偏りが出ます。生成AIが自分の意見を持っているわけではありません。出力をそのまま公開する前に、倫理面から人が見直す必要があります。
問26画像生成AIの学習で行う「前処理」に当たるものはどれですか。
- A画像の大きさをそろえ、明るさの基準を整える
- B画像に写った人物の氏名を一覧にまとめる
- C画像を印刷して紙の資料として保管する
- D画像の著作権者に一枚ずつ許諾を確認する
答えA 画像の大きさをそろえ、明るさの基準を整える
集めた画像は、そのままでは形式がばらばらです。そこで、大きさをそろえるリサイズや、明るさ・色の基準をそろえる正規化といった下ごしらえをします。さらに、回転や反転で学習用の枚数を稼ぐデータの水増し(augmentation)も行ってから学習に使います。
問27VAEを使った画像生成で、潜在ベクトルから絵を作り直す役割を担うのはどちらですか。
- Aデコーダ(絵を描く側)
- Bエンコーダ(絵を見る側)
- C識別器(本物か見分ける側)
- D生成器(ノイズから作る側)
答えA デコーダ(絵を描く側)
エンコーダが絵を見てその特徴を短くまとめ(潜在ベクトル)、デコーダがそれを受け取って絵を描き直します。描き直した絵と元の絵の差を小さくするように両者を調整していくと、生成の精度が上がります。識別器と生成器はGANの用語です。
問28現在の画像生成で主流になっている仕組みはどれですか。
- A拡散モデル(ノイズを少しずつ取り除く)
- B決定木(条件で枝分かれさせて分類する)
- C線形回帰(直線を当てはめて数値を予測する)
- Dクラスタリング(似たもの同士をまとめる)
答えA 拡散モデル(ノイズを少しずつ取り除く)
VAEやGANは速くて高画質な一方、解像度や学習の安定性に課題がありました。いま主流の拡散モデルは、砂嵐のような状態から少しずつノイズを取り除いて絵を浮かび上がらせる作りで、安定した学習と細かい描写を両立します。代表的なものに、DALL-E、FLUX.1、Stable Diffusion などがあります。
問29画像生成AIで作った画像を商用で使うとき、最も注意すべきことはどれですか。
- A他人の著作権を侵していないかを確かめること
- B画像の容量をできるだけ小さくしておくこと
- C生成に使ったサービス名を画像に写し込むこと
- D同じ指示文を二度と使わないようにすること
答えA 他人の著作権を侵していないかを確かめること
AIが作った画像が既存の作品をまねた形になっていると、著作権の問題になりえます。実在の人物に似てしまう場合も権利の問題につながります。商用で使う前に、他人の権利を侵していないかを確認しておく必要があります。
問30音楽生成AIが学習に使うデータ形式として、代表的なものはどれですか。
- AMIDIファイル
- BPDFファイル
- CZIPファイル
- DCSVファイル
答えA MIDIファイル
音楽生成AIは、MIDIファイル(音の高さや長さを数値で記録した、楽譜に近い形式のデータ)などから音のパターンを学びます。音符は前後のつながりを持つ並びなので、その扱いが得意なRNN(過去を覚えながら次を予測する仕組み)が向いています。
問31音楽生成AIが、聴き手の好みに合った曲を作れるようになっていく流れはどれですか。
- A聴き手の感想を集め、それを学習データに足していく
- B曲の長さを少しずつ延ばして情報量を増やしていく
- C音量を上げて聴き取りやすさを改善していく
- D作曲家の氏名を学習データに書き加えていく
答えA 聴き手の感想を集め、それを学習データに足していく
既存の曲で学ぶ→曲を作る→聴いた人の感想や評価を集める→その反応を学習データに加える、という輪を回します。人の反応が次の学習の材料になるので、繰り返すほど好まれる曲に近づいていきます。
問32音楽生成AIの使い方として、倫理的に問題があるとされるのはどれですか。
- AAIが作った曲を、人間が作曲したものとして売ること
- BAIが作った曲を、動画の背景音楽として使うこと
- CAIが作った曲をもとに、人が編曲を加えること
- DAIが作った曲を、催しの会場で流すこと
答えA AIが作った曲を、人間が作曲したものとして売ること
誰が作ったかを偽ることが問題です。AIを制作の道具として使うこと自体は否定されていません。ほかに、既存の曲と似すぎた場合の著作権やライセンスの扱い、作曲家の仕事への影響も、注意点として挙げられています。
問33音声生成AIの学習で一般に用いられる方法はどれですか。
- A正解のラベルを付けたデータを使う教師あり学習
- B正解を与えずに似た者同士を集める教師なし学習
- C報酬と罰を手がかりに試行錯誤する強化学習
- D人の手で一つずつ規則を書き込むルールベース
答えA 正解のラベルを付けたデータを使う教師あり学習
どの声がどんな特徴かという正解の目印を付けたデータで学ばせます。周波数や音の高さを変えたり雑音を足したりして学習用のデータを増やす工夫も使われ、そのうえで音声波形(音の振動を表した波の形)を作り、声として出力します。
問34音声生成AIがもたらす利点として、最も適切なものはどれですか。
- A目が不自由な人が、文章を音で受け取れるようになる
- B話した内容が自動的に法的な証拠として認められる
- C会話の相手の感情を必ず正しく言い当てられる
- D録音した音声の著作権が自動的に登録される
答えA 目が不自由な人が、文章を音で受け取れるようになる
文章を声に変えられるので、視覚に障壁がある人や手を使いにくい人にとって使いやすさが上がります。ほかにも、外国語の音声を作って言葉の壁を下げる、朗読や登場人物の声を作るといった使い道があります。
問35音声生成AIの悪用として、特に警戒されているものはどれですか。
- A本人になりすました声で、詐欺に使われること
- B声が機械的すぎて、聞き取りにくくなること
- C生成に時間がかかり、費用が高くつくこと
- D対応できる言語が英語だけに限られること
答えA 本人になりすました声で、詐欺に使われること
特定の人の声を再現できるため、なりすましや詐欺に使われる危険があります。口の動きと声を合わせるリップシンクの技術も進んでいるので、映像と声の両方がそろった偽物が作れてしまう点にも注意が要ります。
問36動画生成AIの基本的な考え方として、正しいものはどれですか。
- A静止画をつなげて動きを作り、前後のつながりを保つ
- B実際に撮影した映像を編集してつなぎ直す
- C一枚の絵を拡大しながら見せて動きを表す
- D音声だけを先に作り、あとから絵を人が描く
答えA 静止画をつなげて動きを作り、前後のつながりを保つ
動画は時間の順に並んだ静止画の集まりなので、GANやVAEで各コマを作り、前後のコマがちぐはぐにならないようにつなげます。すでにある動画に効果を足したり、余計なものを消したりする使い方もできます。
問372025年5月にGoogle I/Oで発表されたVeo3の特徴はどれですか。
- A映像といっしょに環境音やセリフも作れる
- B生成した映像を紙に印刷する機能を備える
- C撮影した映像の著作権を自動で登録する
- D音声を入力すると楽譜に書き起こせる
答えA 映像といっしょに環境音やセリフも作れる
動画生成AIは映像だけを作るものが多い中で、Veo3は音声まで一括で合成できる点が注目されました。OpenAIのSoraは2024年2月に発表され、最長20秒の動画を作れることで話題になっています。
問38動画生成AIについて、最も強く懸念されている使われ方はどれですか。
- A偽の映像を作り、事実でない情報を広めること
- B古い映像を高い解像度に作り直すこと
- C顔に自動でぼかしを入れて隠すこと
- D教育の現場で学生が作品づくりに使うこと
答えA 偽の映像を作り、事実でない情報を広めること
フェイクニュースやディープフェイクといった偽の映像づくりに使われることが、いちばん懸念されています。誤答に挙げたリマスターや自動のぼかし処理は、むしろ利点として紹介されている使い道です。
問39ディープフェイク技術の特徴として、対策がとりわけ難しいとされるのはどれですか。
- A人の目でもAIでも、見分けがつかない場合があること
- B作るのに大がかりな撮影設備が必要になること
- C作成に数か月単位の時間がかかってしまうこと
- D英語圏の人物にしか適用できないこと
答えA 人の目でもAIでも、見分けがつかない場合があること
精度が高く、顔も声も本物らしく再現できるうえ、目的に合わせて細かく作り分けられます。そして高度なものは人の目でも今のAIでも見破りにくく、その検出と対策が研究の重要な課題になっています。
問40ディープフェイクをめぐる法制度について、正しい説明はどれですか。
- A新しい技術のため、法的な扱いはまだ固まりきっていない
- B世界共通の条約がすでにあり、各国で同じ扱いになる
- C日本ではすべての生成が法律で禁じられている
- D個人が作る場合に限り、法的な問題は生じない
答えA 新しい技術のため、法的な扱いはまだ固まりきっていない
技術が新しいため、法的な側面はまだ完全には定まっていません。そのため規制の動きを追い続ける必要があります。ただし固まっていないからといって自由に使えるわけではなく、他人の顔や声を無断で使えば、肖像権の侵害や名誉毀損などの問題が生じます。
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