第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)一問一答(全52問)
生成AIパスポート試験の第2章「生成AI(ジェネレーティブAI)」について、パスポーンがオリジナルで作った52問を、答えと解説つきで並べています。生成AIの歴史とChatGPTの仕組みが対象です。専門用語は使わずに説明しているので、上から読むだけでも復習になります。当サイトは非公式の学習支援サイトで、利用は無料・登録不要です。
問1生成AI(ジェネレーティブAI)の元になっている「自己回帰モデル」を説明したものとして、最も適切なのはどれか。
- Aこれまでに出てきたデータを手がかりに、次に来る要素を予測しながら新しいデータを作り出す仕組み
- B画像を格子状の小さな区画に分け、その区画ごとに特徴を読み取って全体を判断する仕組み
- C本物そっくりのデータを作る役と、それを見分ける役を競い合わせながら学習させる仕組み
- D文章全体を一度に読み込み、前後の関係をまとめて同時に把握してから分類する仕組み
答えA これまでに出てきたデータを手がかりに、次に来る要素を予測しながら新しいデータを作り出す仕組み
自己回帰モデル(じこかいきモデル)とは、これまで出てきた言葉をヒントにして、次に来る言葉を予測しながら文章などを作っていく仕組みのことです。たとえば「むかしむかし、ある」の続きに「ところに」を予測して足す作業を繰り返し、文章を生成していきます。生成AI(人が作ったような文章や画像を新しく作れるAI)の基本的な考え方の一つです。
問2画像を小さな範囲ごとに「フィルター」をかけながら、線や形などの特徴を読み取っていく処理方式を使うニューラルネットワークはどれか。
- ARNN(回帰型ニューラルネットワーク)
- BCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
- CGAN(敵対的生成ネットワーク)
- DVAE(変分自己符号化器)
答えB CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)は、画像を小さな四角い範囲ごとになぞりながら、線や色の変化といった特徴を読み取っていく仕組みです。この「畳み込み」という処理を繰り返すことで、写真に写っているものを判断したり、新しい画像を作り出したりできます。
問3データをいったん「潜在ベクトル」と呼ばれる特徴の集まりに圧縮し(エンコーダ)、そこから元に近い形へ復元する(デコーダ)ことで新しいデータを作り出す生成モデルはどれか。
- AGAN(敵対的生成ネットワーク)
- BCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
- CVAE(変分自己符号化器)
- DLSTM(長・短期記憶)
答えC VAE(変分自己符号化器)
VAE(変分自己符号化器)は、データをいったん「潜在ベクトル」と呼ばれる特徴の集まりに圧縮し(この圧縮する部分をエンコーダと呼ぶ)、そこから元に近いデータを作り直す(この部分をデコーダと呼ぶ)ことで、新しいデータを生み出す仕組みです。少しノイズ(ランダムなゆらぎ)を加えることで、元とは少し違う新しいデータを作れるのが特徴です。
問4本物そっくりのデータを作る「生成器」と、本物か偽物かを見分ける「識別器」を互いに競わせながら学習させる生成モデルはどれか。
- AVAE(変分自己符号化器)
- BRNN(回帰型ニューラルネットワーク)
- CTransformerモデル
- DGAN(敵対的生成ネットワーク)
答えD GAN(敵対的生成ネットワーク)
GAN(敵対的生成ネットワーク)は、本物そっくりのデータを作る「生成器」と、本物か偽物かを見分ける「識別器」という2つの役割を競争させながら学習させる仕組みです。生成器は識別器をだませるように、識別器はだまされないように、互いに腕を磨き合うことでどんどん本物に近いデータが作れるようになります。
問5文章のように前後のつながりがある時系列データ(シーケンスデータ)を扱うRNNやLSTMの弱点(長い文章では前の情報を忘れやすいこと)を、Attention(注意)の仕組みで解決した、現在の生成AIの主流となっているモデルはどれか。
- ALSTM(長・短期記憶)
- BTransformerモデル
- Cボルツマンマシン(確率的な計算で学習する初期の生成モデル)
- DCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
答えB Transformerモデル
RNNやLSTMは、文章のように前後のつながりがあるデータ(シーケンスデータ)を順番に処理しながら覚えていく仕組みですが、文章が長くなると前の方の情報を忘れやすいという弱点がありました。文章全体のどこが重要かを一度に見比べる仕組み(Attention=注意)を土台に据えることでこの弱点を解いたのが、いま生成AIの主流になっているTransformerモデルです。ここからは、文章の生成が得意なGPTモデルのほか、穴埋め問題を解く学習(MLM)で文章の理解を得意にしたBERTモデル(改良版にRoBERTaやALBERT)も生まれました。
問6ChatGPTのベースになっている技術として、最も適切なものはどれか。
- A画像の特徴を段階的に読み取ることを得意とする、CNNを使った画像認識のモデル
- B作る側と見破る側の二つのネットワークを競わせて学習する、GANを使った生成のモデル
- C大量の文章データで学習した、Transformerを使う大規模言語モデル(GPTモデル)
- Dデータを一度圧縮してから復元する過程で特徴を学ぶ、VAEを使った生成のモデル
答えC 大量の文章データで学習した、Transformerを使う大規模言語モデル(GPTモデル)
ChatGPTは、Transformer(文章全体の関係を一度に見比べられる仕組み)を使って大量の文章データを学習した大規模言語モデル、GPTモデルをベースにした対話型のAIです。質問を入力すると、その続きとして自然な受け答えの文章を作り出します。
問7OpenAIが最初に発表したGPT-1について、正しい説明はどれか。
- ATransformerの仕組みを使い、大量の文章データから幅広い自然言語処理タスクをこなすことを目指した初期の言語モデル
- B人間の評価を使った強化学習(RLHF)を初めて取り入れて、対話の自然さを大きく高めた言語モデル
- C音声・画像・テキストを一度にまとめて処理できる、マルチモーダル対応を掲げた言語モデル
- D文章で書いた指示から短い動画そのものを作り出すことを目指して開発された、動画の生成に特化した専用モデル
答えA Transformerの仕組みを使い、大量の文章データから幅広い自然言語処理タスクをこなすことを目指した初期の言語モデル
GPT-1は、OpenAIが発表した初期の言語モデルで、Transformerの仕組みを使い、大量の文章データから幅広い自然言語処理(NLP、人間の言葉をコンピューターで扱う技術)のタスクをこなすことを目指して作られました。後のGPT-2、GPT-3などにつながる出発点となったモデルです。
問8GPT-1からGPT-2への進化で起きた主な変化として、最も適切なものはどれか。
- A初めて画像を読み取って内容を説明できるようになり、文章と画像の両方を扱えるようになった
- B初めて人間のフィードバックを使った学習(RLHF)が導入され、指示に沿った受け答えができるようになった
- C初めてコードを実行できる機能(Code Interpreter)が搭載された
- Dパラメータ数(学習した知識量に関わる数値)が大きく増え、より自然な文章を生成できるようになった
答えD パラメータ数(学習した知識量に関わる数値)が大きく増え、より自然な文章を生成できるようになった
GPT-1からGPT-2になると、パラメータ数(モデルが学習の中で身につけた知識量に関わる数値)が大きく増えました。その結果、より自然でまとまりのある文章を生成できるようになりました。
問9GPT-3の特徴として最も適切なものはどれか。
- A初めてマルチモーダル(文章・画像・音声など複数の種類の情報を扱えること)に対応し、画像を見て答えられるようになった
- B非常に多くのパラメータを持つ超大規模なモデルとなり、少ない例(few-shot)を見せるだけで様々なタスクに対応できるようになった
- C初めて対話に特化した調整が行われ、ChatGPTという名前で誰でも使える形で一般に公開された
- D答えを出す前に筋道を立てて考える推論に特化した新しいモデル系列として発表され、難しい問題に強くなった
答えB 非常に多くのパラメータを持つ超大規模なモデルとなり、少ない例(few-shot)を見せるだけで様々なタスクに対応できるようになった
GPT-3は、それまでよりもさらにパラメータ数(モデルが学習した知識量に関わる数値)が桁違いに増えた超大規模なモデルです。少しの例(few-shot、わずかなお手本)を見せるだけで、様々な作業に対応できるようになったことが大きな特徴です。
問10InstructGPTについて、最も適切な説明はどれか。
- A画像と文章を同時に入力できるようにすることで、写真を見せながら質問するという新しい使い方を初めて実現したモデル
- Bプログラムのコードをその場で書いて実行し、複雑な計算やグラフ作成まで自動でこなすことを中心に据えて開発されたモデル
- C人間のフィードバックを使った強化学習(RLHF)によって、指示に従いやすく人間の意図に沿った受け答えができるよう調整されたモデル
- D検索エンジンと常時つながり、その日のニュースなど最新の情報を反映した回答を返すことを主な目的として開発されたモデル
答えC 人間のフィードバックを使った強化学習(RLHF)によって、指示に従いやすく人間の意図に沿った受け答えができるよう調整されたモデル
InstructGPTは、人間がAIの答えの良し悪しを評価し、そのフィードバックを使ってAIを望ましい方向に学習させる仕組み(RLHF、人間のフィードバックを使った強化学習)によって、指示に従いやすく人間の意図に沿った受け答えができるよう調整されたモデルです。この考え方は、後のChatGPTにも活かされています。
問11「RLHF」という言葉が指す仕組みとして、最も適切なものはどれか。
- A人間がAIの答えの良し悪しを評価し、そのフィードバックを使ってAIの受け答えを望ましい方向に学習させる仕組み
- B二つのAIを本物そっくり度で競わせながら、互いの精度を自動で高め合わせていく学習の仕組み
- C大量の画像と説明文の組を読み込ませて、言葉から絵を描き出せるようにする学習の仕組み
- D文章を細かい断片に区切って番号に置き換え、コンピューターで扱いやすくする前処理の仕組み
答えA 人間がAIの答えの良し悪しを評価し、そのフィードバックを使ってAIの受け答えを望ましい方向に学習させる仕組み
RLHF(人間のフィードバックを使った強化学習)とは、人間がAIの出した答えに良い・悪いの評価をつけ、そのフィードバックをもとにAIの受け答えを望ましい方向へ学習させていく仕組みのことです。ChatGPTが人間にとって自然で役立つ受け答えをできるようになった背景には、この仕組みがあります。
問12ChatGPTが最初に公開された際にベースとなっていたモデルはどれか。
- AGPT-4
- BGPT-4o
- CGPT-o1
- DGPT-3.5
答えD GPT-3.5
ChatGPTが最初に公開されたときのベースになっていたのはGPT-3.5というモデルです。その後GPT-4やGPT-4oなど、より高性能なモデルへと進化していきました。
問13生成AIが、事実ではないことをまるで本当のことのように、もっともらしく作り出してしまう現象を何と呼ぶか。
- Aアライメント
- Bハルシネーション
- Cマルチモーダル
- Dファインチューニング
答えB ハルシネーション
ハルシネーションとは、生成AIが事実ではないことを、まるで本当のことのようにもっともらしく作り出してしまう現象のことです。AIの答えをそのまま信じ込まず、大事な情報は自分でも確認することが大切だとされています。ほかの選択肢は、アライメント=AIの受け答えを人間にとって望ましい方向へ調整すること、マルチモーダル=複数の種類の情報を扱えること、ファインチューニング=学習済みモデルを追加データで調整すること、です。
問14GPT-4の特徴として最も適切なものはどれか。
- Aモデルの内部で使われている計算式や学習の方法をすべて公開した、OpenAI初の完全なオープンソースのモデルになった
- B学習済みの知識をいっさい使わず、質問のたびに毎回インターネットを検索してから答える方式に完全に切り替わった
- C文章だけでなく画像なども入力として扱えるなど、マルチモーダル(複数の種類の情報をまとめて扱えること)に対応した
- Dスマートフォン単体でもそのまま動くほど小型化され、インターネット通信なしでも全機能が使えるようになった
答えC 文章だけでなく画像なども入力として扱えるなど、マルチモーダル(複数の種類の情報をまとめて扱えること)に対応した
GPT-4は、文章だけでなく画像なども入力として扱えるようになるなど、マルチモーダル(文章・画像・音声など複数の種類の情報をまとめて扱えること)に対応したモデルです。これにより、写真を見せて質問するといった使い方もできるようになりました。
問15ChatGPTの機能の一つで、AIがその場でプログラムのコードを書いて実行し、データの計算やグラフの作成などを行える機能はどれか。
- ACode Interpreter
- BGPTs
- COperator
- DImage Generation
答えA Code Interpreter
Code Interpreterは、AIがその場でプログラムのコードを書いて実行し、データの計算やグラフの作成、ファイルの処理などを行える機能です。文章で頼むだけで、AIが裏でプログラムを組んで結果を返してくれます。ほかの選択肢は、GPTs=自分専用のカスタムChatGPTを作れる機能、Operator=AIがパソコン画面を自動で操作する機能、Image Generation=画像を生成する機能、です。
問16ユーザーが自分の目的に合わせて指示や知識を設定し、自分専用のカスタムChatGPTを作って公開・共有できる機能はどれか。
- ACodex
- BSora
- CCode Interpreter
- DGPTs
答えD GPTs
GPTsは、ユーザーが自分の目的に合わせて指示や知識をあらかじめ設定し、自分専用のカスタムChatGPTを作って公開・共有できる機能です。プログラミングの知識がなくても、自分だけのAIアシスタントを作れます。ほかの選択肢は、Codex=コード生成に特化したモデル、Sora=動画を生成するモデル、Code Interpreter=コードを書いて実行する機能、です。
問17「o」が「omni(オムニ、あらゆるという意味)」を表し、テキスト・音声・画像をリアルタイムでまとめて処理できるようになったモデルはどれか。
- AGPT-o1
- BGPT-4o
- CGPT-4.1
- DGPT-3.5
答えB GPT-4o
GPT-4oの「o」は「omni(オムニ、あらゆるという意味)」を表しており、テキスト・音声・画像といった複数の種類の情報をリアルタイムでまとめて処理できるようになったモデルです。
問18GPT-o1やGPT-o3、GPT-o4のように「o」がつくシリーズのモデルが特に強化している点として、最も適切なものはどれか。
- A写真やイラストを高い品質で描き出す、画像生成の能力
- B人と自然な発音でリアルタイムに通話できる、音声会話の能力
- C答えを出す前にじっくり筋道を立てて考える、推論(考える過程)の能力
- Dプログラムの誤りを自動で見つけて直す、コード修正専用の能力
答えC 答えを出す前にじっくり筋道を立てて考える、推論(考える過程)の能力
GPT-o1やGPT-o3、GPT-o4のような「o」がつくシリーズは、答えをすぐに出すのではなく、答えを出す前にじっくり筋道を立てて考える「推論」の能力を特に強化したモデルです。難しい数学の問題や複雑な作業で力を発揮しやすいとされています。この推論の力は、後継のGPT-5にも受け継がれています。なお、OpenAI社の実際の製品名は「o1」「o3」のように呼ばれますが、試験のシラバスでは「GPT-o1」のように表記されています。
問19Googleが開発している生成AIモデルはどれか。
- AGemini
- BClaude
- CCopilot
- DCodex
答えA Gemini
Geminiは、Googleが開発している生成AIモデルです。Google検索やGmail・ドライブといった、ふだん使っているGoogleのサービスと組み合わせて使えることが特徴の一つです。
問20Anthropic社が開発している生成AIモデルはどれか。
- AGemini
- BCopilot
- CSora
- DClaude
答えD Claude
Claudeは、Anthropic社が開発している生成AIモデルです。長い文章を読み取って要約したり、自然な文章を書いたりすることが得意とされています。
問21Microsoftが提供している、生成AIを活用した支援ツール(製品名)はどれか。
- AGemini
- BCopilot
- CClaude
- DOperator
答えB Copilot
Copilotは、Microsoftが提供している、生成AIを使って文章作成やプログラミングなどを支援するツールです。WordやExcelなどのOffice製品やWindowsに組み込まれ、資料作成などを手伝ってくれる形で提供されています。
問22学習済みの大規模なAIモデルに、目的に合わせた追加のデータを与えて調整し、特定の用途に適した性能へ仕上げる手法を何と呼ぶか。
- Aプレトレーニング(事前学習)
- Bファインチューニング
- Cハルシネーション
- Dデータの水増し(データ拡張)
答えB ファインチューニング
ファインチューニングとは、すでに大量のデータで学習を終えたモデルに、目的に合わせた追加データを与えて「仕上げの調整」をする手法です。例えば、一般的な文章で学習したモデルに医療系の文書を追加で学習させて、医療分野に強いモデルへ調整する、といった使い方をします。ゼロから学習し直すよりも、少ないデータと時間で目的に合ったAIを作れます。
問23GPT-5の位置づけとして、最も適切な説明はどれか。
- A文章から動画を作り出すことに特化して開発された、Soraの後継にあたる動画生成のモデル
- Boシリーズで強化された、答えを出す前に筋道を立てて考える推論の能力を受け継いだ、GPTシリーズの後継モデル
- C写真やイラストを描き出すことだけを行う、Image Generation専用の画像生成モデル
- DOpenAIとは別の会社が対抗して開発した、ウェブ検索に特化した検索エンジン型のモデル
答えB oシリーズで強化された、答えを出す前に筋道を立てて考える推論の能力を受け継いだ、GPTシリーズの後継モデル
GPT-5は、oシリーズ(GPT-o1・GPT-o3など)で強化された「答えを出す前にじっくり筋道を立てて考える」推論の能力を受け継いだ、GPTシリーズの後継モデルです。質問に応じて、すばやい応答とじっくり考える応答を使い分けるとされています。動画のSora、画像のImage Generationのように、作るものの種類ごとに別のモデル・機能があることも合わせて整理しておきましょう。
問24ボルツマンマシンを改良し、神経回路を「見える層」と「隠れた層」の2つに分け、同じ層どうしの結びつきをなくして層と層の間だけでやり取りするようにしたことで学習が収束しやすくなったモデルはどれか。
- A制約付きボルツマンマシン
- BGAN(敵対的生成ネットワーク)
- CCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
- DTransformerモデル
答えA 制約付きボルツマンマシン
制約付きボルツマンマシンは、ボルツマンマシンの神経回路を「見える層」と「隠れた層」の2つに分け、同じ層どうしの結びつきをなくして層と層の間だけでやり取りするように改良したモデルです。これにより学習が収束しやすくなり、データの分類や特徴の学習など、教師あり学習だけでなく教師なし学習にも応用できるようになりました。
問25Transformerは文章中の単語をすべて同時に処理するため、そのままでは単語がもともと何番目にあったかが分からなくなってしまう。この弱点を補うために使われる仕組みはどれか。
- A位置エンコーディング(各単語がもとは何番目にあったかを数値として付け加える工夫)
- BAttention Mechanism(それぞれの単語がどれくらい重要かに得点をつける仕組み)
- CRLHF(人間のフィードバックを使った強化学習)
- Dファインチューニング(学習済みモデルへ追加データを与えて仕上げの調整をする工夫)
答えA 位置エンコーディング(各単語がもとは何番目にあったかを数値として付け加える工夫)
Transformerは、文章中の単語を順番に読むRNNとは違い、すべての単語を同時にまとめて処理します。その代わり、そのままでは単語がもともと何番目にあったかという順序の情報が失われてしまうため、「位置エンコーディング」という仕組みで各単語の順序を数値として補い、語順の情報が保たれるようにしています。
問26BERTが、2つの文が意味的につながっているかどうかを予測する学習(NSP)を通じて身につける能力として、最も適切なものはどれか。
- A文章の前後の脈絡や意味のつながりを理解する能力
- B文章から動画そのものを作り出す能力
- C画像に写っているものの位置と色を数値として読み取る能力
- D会話の内容に応じて、同じ質問にも異なる回答を生成する能力
答えA 文章の前後の脈絡や意味のつながりを理解する能力
BERTは、2つの文を見せて「この2文はつながりがあるか」を予測させる学習(NSP、Next Sentence Prediction)を行うことで、文章の前後の脈絡や意味のつながりを理解する能力を身につけます。BERTの改良モデルには、より多くのデータと時間を使って言語理解の能力を高めたRoBERTaや、パラメータ数を大幅に削減して低コストな環境でも動くようにしたALBERT(A Lite BERT)があります。
問27GPT-3.5からGPT-4への進化で大きく改善したこととして、シラバスで紹介されている内容に最も近いものはどれか。
- A日本語を含む多くの言語で、文章生成の出力精度が大きく向上した
- B文章を生成する機能そのものが、初めてAIに搭載された
- Cインターネットへの接続が一切不要な、完全オフライン型のモデルになった
- D有料版・無料版という料金プランの区別が、初めて設けられた
答えA 日本語を含む多くの言語で、文章生成の出力精度が大きく向上した
GPT-3.5は英語がいちばん得意で、日本語をはじめ他の言語では出来がひと息落ちる、という偏りがありました。GPT-4ではその差が縮まり、試した26の言語のうち24言語で、GPT-3.5が英語で出した成績を超えたと報告されています。
問28BERTの改良モデルのうち、約10倍のデータ量とより長い学習時間を使うことで、言語を理解する能力を高めたモデルはどれか。
- ARoBERTa
- BALBERT
- CGPT-4
- DCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
答えA RoBERTa
RoBERTaは、BERTの改良モデルの一つで、約10倍のデータ量とより長い学習時間を使って訓練することで、言語を理解する能力を高めたモデルです。もう一つの改良モデルALBERT(A Lite BERT)は、データ量を増やす方向ではなく、パラメータの数を大幅に削減して軽量化する方向で改良された点が対照的です。
問29BERTの改良モデルのうち、パラメータの数を大幅に削減することで、低コストのパソコンやスマートフォンなど計算リソースが限られた環境でも高い性能を発揮できるようにしたモデルはどれか。
- AALBERT
- BRoBERTa
- CGPT-4
- DGAN(敵対的生成ネットワーク)
答えA ALBERT
ALBERT(A Lite BERT)は、その名の通りBERTを軽量にするモデルで、パラメータの数を大幅に削減することで、低コストのパソコンやスマートフォンなど計算リソースが限られた環境でも高い性能を発揮できるようにしています。もう一つの改良モデルRoBERTaは、軽量化ではなく約10倍のデータ量で訓練する方向で言語理解の能力を高めた点が対照的です。
問30ChatGPTの「GPT」のうち、Pが表しているのはどれですか。
- APre-trained(あらかじめ大量の文章で学習しておくこと)
- BProgrammed(人が手順を一つずつ書いて動かすこと)
- CProcessing(文章を機械的に処理していくこと)
- DPersonalized(一人ひとりに合わせて作られていること)
答えA Pre-trained(あらかじめ大量の文章で学習しておくこと)
GPTは3語の頭文字で、G=Generative(生成する)、P=Pre-trained(事前学習、つまり使われる前に大量の文章で学んでおくこと)、T=Transformer(文章のどこが重要かを見分ける仕組み)です。頭のChatは「対話型」であることを表しています。
問31対話型AIのChatGPTが一般に公開されたのは何年ですか。
- A2022年
- B2018年
- C2020年
- D2023年
答えA 2022年
ChatGPTの公開は2022年です。土台になったのは同じ年に発表されたGPT-3.5でした。前後を並べると、2018年にGPT-1、2019年にGPT-2、2020年にGPT-3、2023年にGPT-4という順になります。世間の関心が一気に集まったのは、GPT-3.5がChatGPTに組み込まれてからでした。
問322019年に発表されたGPT-2で、当初はモデルのすべてを公開しなかった理由はどれですか。
- A悪用されるおそれが心配されたため
- B計算にかかる費用が高すぎたため
- C日本語にうまく対応できなかったため
- D特許の審査が終わっていなかったため
答えA 悪用されるおそれが心配されたため
GPT-2は当時としては文章の生成力が高く、偽情報の作成などに使われることが懸念されました。そのため、開発元は最初から丸ごと公開する形を取りませんでした。性能が上がるほど公開の仕方に慎重さが要る、という考え方の早い例として知られています。
問33画像の認識や処理を特に得意とする、ディープラーニングの仕組みはどれですか。
- ACNN(畳み込みニューラルネットワーク)
- BRNN(回帰型ニューラルネットワーク)
- CLSTM(長・短期記憶のネットワーク)
- DGAN(敵対的生成のネットワーク)
答えA CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
CNNは、画像の全体を一度に見るのではなく、一部分ずつ切り取って調べます。この調べ方を「畳み込み」と呼びます。全ての点をつなぐ普通のニューラルネットワーク(人の脳の神経のつながりをまねた仕組み)では計算が膨れ上がるので、見る範囲を絞るわけです。2012年の画像認識の国際大会で飛び抜けた成績を出したことが、広く知られるきっかけになりました。
問34CNNで層を深く重ねていくと、取り出される特徴はどのように変わりますか。
- A線や色といった細かい手がかりから、物体や風景へ
- B物体や風景から、線や色といった細かい手がかりへ
- Cどの層でも同じ特徴が取り出され、変化はしない
- D層の深さではなく、画像の大きさだけで決まる
答えA 線や色といった細かい手がかりから、物体や風景へ
浅い層では線や色の断片をつかみ、次の層でそれらが組み合わさった形をつかみ、深い層になると物体や風景として認識できるようになります。細部から全体へ、と覚えると順番を間違えません。
問35VAEで、入力データを「潜在ベクトル」と呼ばれる短い表現に変換する役割を持つのはどれですか。
- Aエンコーダ(符号化する側)
- Bデコーダ(元に戻す側)
- Cジェネレータ(生成器)
- Dディスクリミネータ(識別器)
答えA エンコーダ(符号化する側)
VAE(変分自己符号化器)は、エンコーダとデコーダの二人組でできています。エンコーダが入力を潜在ベクトル(データの要点だけを短くまとめた数値の並び)に縮め、デコーダがそこから元に近いものを作り直します。ジェネレータとディスクリミネータは、後で出てくるGANの側の用語です。
問36VAEの特徴として、最も適切な説明はどれですか。
- A余計な情報が混ざったデータから、元の姿を作り直せる
- B二つのモデルを競わせて、本物らしさを高めていく
- C単語の順番を保ったまま、文章をまとめて処理できる
- D過去の情報を記憶しながら、次の値を予測していく
答えA 余計な情報が混ざったデータから、元の姿を作り直せる
VAEは、ノイズ(目的と関係のない余計な情報)が混ざったデータから元のデータを再現できる点が持ち味で、次元削減(データを少ない情報量で表し直すこと)や異常検知にも使われます。誤答は順に、GAN(二つを競わせて本物らしさを高める仕組み)、Transformer(文章をまとめて処理する仕組み)、RNN(過去を覚えながら次を予測する仕組み)の説明です。
問37GANを構成する2つのネットワークの組み合わせはどれですか。
- A生成器(ジェネレータ)と識別器(ディスクリミネータ)
- Bエンコーダ(符号化する側)とデコーダ(元に戻す側)
- Cリカレント層(過去を覚える層)と出力層(答えを出す層)
- D入力層(データを受け取る層)と隠れ層(内部の処理層)
答えA 生成器(ジェネレータ)と識別器(ディスクリミネータ)
GAN(敵対的生成ネットワーク)は、データを作る側の生成器と、それが本物か偽物かを見分ける側の識別器でできています。2014年にイアン・グッドフェロー氏が提唱し、生成モデルの先駆けになりました。
問38GANの学習が進むにつれて、生成器の作るデータはどうなっていきますか。
- A識別器を欺こうとするため、本物に近づいていく
- B識別器に合わせようとするため、単純になっていく
- C学習のたびに作風が変わり、一定しなくなっていく
- D識別器と同じ判定をするようになり、作るのをやめる
答えA 識別器を欺こうとするため、本物に近づいていく
生成器は識別器を騙そうとし、識別器は見破ろうとします。この競争を続けるうちに、生成器が作るものは本物に近づいていきます。GANは大量の学習データを必要としない点も特徴です。
問39Transformerが「位置エンコーディング」という仕組みを使うのは、何を保つためですか。
- A文中での単語の順序の情報
- B単語ごとの重要度の得点
- C学習に使ったデータの出典
- D利用者が入力した個人情報
答えA 文中での単語の順序の情報
Transformerは単語を一度にまとめて処理するので、そのままでは語順が失われます。そこで位置エンコーディングで「何番目の語か」を持たせます。誤答の「重要度の得点」はAttention(どの語に注目すべきかを点数にする仕組み)の役目で、別の話です。
問40AIの「ハルシネーション」とは、どのような現象を指しますか。
- A誤った内容を、自信のある調子で答えてしまうこと
- B同じ質問に対して、毎回まったく同じ答えを返すこと
- C答えられない質問に対して、返答を拒んでしまうこと
- D指示した文字数より短い文章を書いてしまうこと
答えA 誤った内容を、自信のある調子で答えてしまうこと
ハルシネーション(AIの幻覚)は、事実でないことを堂々と述べてしまう現象です。GPT-4ではGPT-3.5と比べて全体で19〜29%ほど減ったとされ、その後のモデルでもさらに減っていますが、なくなってはいません。
問41「マルチモーダル」なAIとは、どのようなAIのことですか。
- A文章・画像・音声など、種類の違うデータをまとめて扱える
- B複数の会社のモデルを切り替えながら使い分けられる
- C同じ質問を何度も投げて、答えを多数決で決められる
- D多くの言語に対応し、翻訳だけを専門にこなせる
答えA 文章・画像・音声など、種類の違うデータをまとめて扱える
マルチモーダルは、扱えるデータの種類が複数あることを指します。文章だけでなく、画像を見せながら「これの何がおかしいか」と尋ねる、といった使い方ができます。GPT-4で実用的になった特徴の一つです。
問42GPT-4で改善された、日本語利用者にとって大きい変化はどれですか。
- A英語以外の言語でも、出力の精度が大きく上がった
- B日本語の入力だけ、料金が安く設定されるようになった
- C日本語で聞くと、必ず日本語の資料だけを参照する
- D日本語では画像を扱えないという制限が加わった
答えA 英語以外の言語でも、出力の精度が大きく上がった
GPT-3.5は英語がいちばん得意で、日本語は精度が落ちる状態でした。GPT-4ではこれが改善し、試した26の言語のうち24言語で、GPT-3.5が英語で出した成績を超えました。数字で見ると、GPT-3.5の英語が70.1%だったのに対し、GPT-4の日本語は79.9%に達しています。
問43ChatGPTの「GPTs」という機能でできることはどれですか。
- A用途に合わせて自分専用のGPTを作り、公開もできる
- B他社の生成AIを同じ画面から呼び出して比較できる
- C生成した文章の著作権を自動で登録して保護できる
- D回答に使われた学習データの一覧を取り出して見られる
答えA 用途に合わせて自分専用のGPTを作り、公開もできる
GPTsは、振る舞いを指定したり、参照させたいファイルを渡したり、外部のAPI(他のサービスとつなぐ窓口)と連携させたりして、ChatGPTを用途別に仕立てる機能です。作ったものはGPTストアで公開でき、ほかの人が作ったものも利用できます。
問44「GPT-4o」の「o」は、何を表していますか。
- Aomni(すべての)という意味の言葉
- Bonline(つながる)という意味の言葉
- Copen(ひらかれた)という意味の言葉
- Doptimal(最適な)という意味の言葉
答えA omni(すべての)という意味の言葉
GPT-4oは2024年5月に公開されました。oはomni(すべての)で、文章・画像・音声をひとまとめに扱えることから、オムニモーダルモデルと呼ばれます。音声への応答は最短232ミリ秒・平均320ミリ秒で、人が会話で返す速さに近いことでも注目されました。
問45「リーズニング(推論)モデル」と呼ばれる一群の設計思想はどれですか。
- A答えを返す前に、自分の中でじっくり考えてから出す
- B答えを返す前に、必ず利用者に確認を取ってから出す
- C答えを返す速さを最優先し、短い返事だけを返す
- D答えを返すたびに、学習データを新しく取り込み直す
答えA 答えを返す前に、自分の中でじっくり考えてから出す
o1がその第1弾で、2024年に発表されました。すぐ答えるのではなく内部で考える手順を踏むため、研究やソフトウェア開発のように筋道を追う必要がある仕事を得意とします。続くo3では、内部の「思考の下書き」をより長く取るようになりました。
問46「GPT-4o」と「GPT-o4」の関係として、正しい説明はどれですか。
- A名前は似ているが、まったく別の系列のモデルである
- BGPT-o4はGPT-4oの軽量版として作られたものである
- CGPT-4oの日本語版がGPT-o4と呼ばれているだけである
- D呼び方が二通りあるだけで、同じモデルを指している
答えA 名前は似ているが、まったく別の系列のモデルである
GPT-4oはオムニモーダル(文章・画像・音声をまとめて扱う)の系列、GPT-o4は先に考えてから答えるリーズニングの系列で、別物です。文字の並びが入れ替わっただけに見えるので、試験でも狙われやすい所です。
問472025年4月に公開されたGPT-4.1が、特に力を入れて最適化された用途はどれですか。
- A開発者の実務(長い文脈の処理とコードの修正)
- B小学生向けの学習(やさしい言葉での言い換え)
- C医療現場での診断(画像からの病名の判定)
- D行政の窓口業務(書類の受付と本人確認)
答えA 開発者の実務(長い文脈の処理とコードの修正)
GPT-4.1は開発者向けの実務に寄せた改良版で、最大100万トークン(AIが一度に読み込める文章のかたまりの単位)という長い文脈を扱えます。標準版のほかにminiとnanoがあり、必要な速さと費用で選べます。
問48OpenAIの「Sora」は、何を生成するAIですか。
- A動画
- B楽曲
- C図表
- D音声
答えA 動画
Soraは、文章や画像から動画を作る生成AIです。最大1080p・最長20秒まで作れます。仕組みは拡散モデル(ざらついた砂嵐のような状態から、ノイズを少しずつ取り除いて形を浮かび上がらせるやり方)で、ストーリーボード機能を使えば場面ごとの指示を時間順に並べられます。
問49OpenAIの「Operator」が肩代わりしてくれるのは、どんな作業ですか。
- Aブラウザ上でのクリックや入力といった一連の操作
- B社内サーバーの設定変更と機器の入れ替え作業
- C紙の書類の読み取りと、郵送の手配までの事務
- Dスマートフォンの通話の応答と、伝言の書き起こし
答えA ブラウザ上でのクリックや入力といった一連の操作
Operatorは2025年1月に公開された、ブラウザ操作に特化したAIエージェント(目的を伝えると自分で手順を決めて動くAI)です。画面を画像として読み取りながら、買い物や予約の手続きをまとめて代行します。
問50OpenAIの「Codex」は、どのような役割を担うAIですか。
- A開発の作業を、複数まとめて自分で進める
- B設計図から、部品の見積書を自動で作る
- C撮影した写真から、動画の絵コンテを起こす
- D会議の音声から、議事録を清書して配る
答えA 開発の作業を、複数まとめて自分で進める
Codexは2025年5月に研究プレビューとして公開されたAI開発エージェントです。クラウド上の隔離された作業場を立ち上げ、機能追加やバグ修正といった仕事を同時に進めます。テストが通るまで自分でコードを直し続ける点が特徴です。
問51GPT-4oに組み込まれた画像生成機能が、それまでの画像生成と違うのはどこですか。
- A拡散モデルではなく、自己回帰モデルを使っている
- B音声を入力しないと、画像を作れない仕組みである
- C生成した画像に、自動で著作権が登録される
- D白黒の画像しか作ることができない
答えA 拡散モデルではなく、自己回帰モデルを使っている
2025年3月に公開されたこの機能は、砂嵐から像を浮かび上がらせる拡散モデルではなく、自己回帰モデル(前に作った部分を手がかりに次を作っていくやり方)を採っています。画像の左上から右下へ、少しずつ描き進めていく形です。
問52GPT-4oの画像生成が自己回帰モデルを採ったことで、できるようになったことはどれですか。
- A画像の中に文字を書き込めるようになった
- B画像の生成にかかる電力がゼロになった
- C生成した画像が必ず実在の風景と一致する
- D画像の権利が自動的に利用者のものになる
答えA 画像の中に文字を書き込めるようになった
少しずつ描き進める作りのおかげで細部まで指示に忠実になり、これまで苦手とされてきた画像内の文字も書けるようになりました。この機能はo3やo4のモデルでも使え、添付した画像を参考にしながら生成することもできます。
最終更新:(運営:Meritorious)
パスポーン