第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則一問一答(全65問)
生成AIパスポート試験の第4章「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」について、パスポーンがオリジナルで作った65問を、答えと解説つきで並べています。セキュリティ・個人情報・著作権・法律が対象です。専門用語は使わずに説明しているので、上から読むだけでも復習になります。当サイトは非公式の学習支援サイトで、利用は無料・登録不要です。
問1「インターネットリテラシー」の説明として、最も適切なものはどれ?
- A通信の仕組みを工夫して、ページの表示速度やダウンロード速度をできるだけ高速化するための、通信技術に関する専門的な知識のこと
- B投稿のタイミングやハッシュタグの使い方を工夫して、SNSのフォロワー数やいいねの数を増やすためのテクニックのこと
- Cインターネットを正しく安全に使いこなすために必要な知識と判断力(技術の理解、情報を見極める力、セキュリティ・プライバシーへの配慮などを含む)
- DWebサイトやアプリを自分で作れるようになるために、パソコンのプログラミング言語を一通り習得して身につけること
答えC インターネットを正しく安全に使いこなすために必要な知識と判断力(技術の理解、情報を見極める力、セキュリティ・プライバシーへの配慮などを含む)
インターネットリテラシーとは、インターネットを安全に、そして正しく使うための知識や判断力のことです。「この情報は本当かな?」と見極めたり(情報リテラシー)、個人情報を守ったり(セキュリティとプライバシー)、ネット上でも一人の市民として責任ある行動をとること(デジタル市民権)などをまとめてこう呼びます。
問2インターネットリテラシーの構成要素の一つである「デジタル市民権(デジタルシチズンシップ)」の説明として適切なものはどれ?
- Aインターネット上でも現実社会と同じように、他者を尊重し責任を持って行動する姿勢や考え方
- B国が発行する電子証明書を使って、行政の手続きをオンラインで済ませられるようにする制度
- Cインターネット上のサービスを、国籍に関係なく誰でも契約できるようにする国際的な取り決め
- D一定の年齢に達した人に、国からインターネットの利用資格が正式に与えられる登録制度
答えA インターネット上でも現実社会と同じように、他者を尊重し責任を持って行動する姿勢や考え方
デジタル市民権(デジタルシチズンシップ)とは、インターネットの世界でも現実の社会と同じように、周りの人を尊重し、ルールを守って責任ある行動をとる考え方のことです。たとえば、SNSに人の悪口を書かない、他人の写真を勝手に使わないといった態度もこれにあたります。
問3本物の企業や銀行を装った偽のメールやサイトを使い、IDやパスワード、クレジットカード番号などを入力させてだまし取る手口を何という?
- Aランサムウェア
- Bフィッシング詐欺
- Cソーシャルエンジニアリング攻撃
- Dマルウェア
答えB フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、銀行やネット通販会社などになりすました偽のメールやWebサイトを使い、本物だと信じ込ませてIDやパスワード、クレジットカード番号を入力させて盗み取る手口です。「魚釣り(フィッシング)」のように、餌(偽の連絡)で人を釣り上げることが名前の由来と言われています。似た言葉に、パソコンやスマホに侵入する悪意のあるソフトウェア全般を指す「マルウェア」、その中でもファイルを勝手に暗号化するなどして身代金を要求する「ランサムウェア」、人の心理の隙を突いてだます攻撃全般を指す「ソーシャルエンジニアリング攻撃」があり、フィッシング詐欺はソーシャルエンジニアリング攻撃の一種です。SMS(ショートメッセージ)を使うものは「スミッシング」、電話の音声でだますものは「ヴィッシング」と呼ばれます。
問4街中のポスターや店頭に貼られたQRコードを不正なものにすり替え、読み取った人を偽サイトに誘導したり不正なアプリをインストールさせたりする手口への注意点として、正しいものはどれ?
- AQRコードの画像を読み取っただけの段階では通信は発生しないため、リンク先を事前に確認する必要はない
- BQRコードは公式のカメラアプリでしか読み取れない仕組みになっているため、偽物を読み取ってしまう心配はない
- C公式のQRコードかどうかは、読み取った際にスマートフォンの画面へ自動で警告が表示される仕組みになっている
- D見知らぬ場所に貼られたQRコードは、読み取る前にリンク先や貼り替えの痕跡を確認するべきである
答えD 見知らぬ場所に貼られたQRコードは、読み取る前にリンク先や貼り替えの痕跡を確認するべきである
QRコードは中身(リンク先)が見た目では分からないため、悪意のある人が本物のQRコードの上に偽のシールを貼るなどして、偽サイトへ誘導したり不正なアプリを入れさせたりすることがあります。知らない場所に貼ってあるQRコードは、貼り替えられていないか、リンク先が怪しくないかを確認してから読み取ることが大切です。
問5カフェや駅などにある無料のフリーWi-Fiを利用する際の注意点として、最も適切なものはどれ?
- AフリーWi-Fiは提供元の店舗やお店が運営しているため、通信内容を悪意ある第三者に見られる心配は基本的にない
- B誰でも通信内容を盗み見できる可能性があるため、暗号化されていないフリーWi-Fiでは個人情報やパスワードの入力を避ける
- CフリーWi-Fiに接続すると自動的にウイルス対策ソフトが起動する
- DフリーWi-Fiの通信速度は電波の混雑状況に左右されないため、自宅のWi-Fiより安定して安全に使える
答えB 誰でも通信内容を盗み見できる可能性があるため、暗号化されていないフリーWi-Fiでは個人情報やパスワードの入力を避ける
暗号化(通信内容を第三者に読み取れない形に変換すること)がされていないフリーWi-Fiでは、同じ電波を使う他人に通信内容を盗み見られたり、悪意のある人が本物そっくりの偽Wi-Fiを用意して情報を盗んだりする危険があります。知らない場所のWi-Fiでパスワードやクレジットカード番号を入力するのは避けましょう。
問6ファイルを保存・共有できるアップロードサービス(クラウドストレージなど)を装った詐欺の手口として、注意すべきものはどれ?
- Aアップロードサービスは利用登録の際に本人確認書類の提出が義務付けられているため、詐欺目的で使われることはほとんどない
- Bファイルをアップロードすると自動的に著作権が譲渡される
- C本物そっくりの偽アップロードサイトにファイルを預けさせ、個人情報やアカウント情報を盗み取る
- Dアップロードしたファイルは、サービス側の処理によって自動的に個人が特定できない匿名加工情報へ変換される
答えC 本物そっくりの偽アップロードサイトにファイルを預けさせ、個人情報やアカウント情報を盗み取る
本物のクラウドストレージ(ファイルを預けられるネット上の保管サービス)そっくりの偽サイトを用意し、ログイン情報を入力させたり、偽の「ダウンロードはこちら」ボタンからマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を仕込んだりする詐欺があります。URLをよく確認し、公式サイトかどうかを見極める習慣が大切です。
問7学校や家庭で、子どもが有害・不適切なWebサイトへアクセスすることを防ぐための一般的な対策はどれ?
- Aフィルタリングサービスを利用して、有害サイトへのアクセスを制限する
- Bアンチウイルスソフトを導入して、有害な添付ファイルによるウイルス感染を防ぐ
- C閲覧履歴を定期的に削除して、アクセスしたサイトの記録を残さないようにする
- Dパスワードを定期的に変更して、アカウントの乗っ取りを防ぐ
答えA フィルタリングサービスを利用して、有害サイトへのアクセスを制限する
フィルタリング(あらかじめ有害だと判定されたサイトへのアクセスを制限する仕組み)を使うことで、暴力的・性的な内容など不適切なWebサイトへのアクセスを防ぐことができます。家庭用ルーターやスマートフォンの機能として用意されていることが多いです。
問8実在する上司や取引先になりすまし、「至急、口座に振り込んでほしい」といったもっともらしい作り話を信じ込ませて、情報や金銭をだまし取るソーシャルエンジニアリングの手口を何という?
- Aベイト攻撃
- Bブラックメール
- Cスピアフィッシング
- Dプレテキスト
答えD プレテキスト
プレテキストとは、上司や取引先になりすまして、もっともらしい偽の理由(口実)をでっち上げて相手を信じ込ませ、情報やお金をだまし取るソーシャルエンジニアリング(人の心理の隙を突く攻撃)の手口です。似た手口に、USBメモリを拾わせて感染させる「ベイト攻撃(おとり攻撃)」、弱みを握って脅す「ブラックメール」、偽メールやリンクで特定の相手を狙う「スピアフィッシング」があります。
問9SNS(交流サイト)を安全に使うための「プライバシー設定」の工夫として、適切なものはどれ?
- A多くの人に見てもらえるように、住所や学校名を含む投稿も常に全体公開に設定する
- Bパスワードを忘れないように、誰でも見られるプロフィール欄に書いて保存しておく
- C投稿を見られる相手の範囲(友達だけ・全体公開など)を自分で選べるように設定を見直す
- D位置情報を常にオンにして、自宅の場所が分かる情報を投稿に自動で表示させる
答えC 投稿を見られる相手の範囲(友達だけ・全体公開など)を自分で選べるように設定を見直す
プライバシー設定とは、SNSなどで自分の投稿や個人情報を「誰に見せるか」を自分でコントロールできる機能です。友達だけに公開する、位置情報を載せない、住所や学校名が特定されないようにするなど、設定を見直すことで、望まない相手に個人情報が伝わるリスクを減らせます。
問10生成AIの技術が進化したことで生まれた、新しいタイプの詐欺やなりすましの脅威として当てはまるものはどれ?
- A生成AIが登場したことで、フィッシング詐欺のメール文面はかえって不自然になり、以前より簡単に見破れるようになった
- B本人そっくりの声や映像を生成AIで作り出す「ディープフェイク」を使い、家族や上司になりすまして金銭をだまし取る
- C生成AIは個人情報を学習に使わない設計になっているため、なりすまし詐欺に悪用されるリスクは無くなっている
- D生成AIサービスを利用する際は身分証の提示と本人確認が必須になっているため、詐欺目的で悪用することはできない
答えB 本人そっくりの声や映像を生成AIで作り出す「ディープフェイク」を使い、家族や上司になりすまして金銭をだまし取る
生成AIの技術が進化したことで、本人そっくりの声や顔の動画を作り出す「ディープフェイク」を悪用し、家族や会社の上司になりすまして「今すぐお金を振り込んで」とだます詐欺が増えています。文章も自然に作れるため、フィッシングメールの日本語がより自然で見破りにくくなっている点にも注意が必要です。
問11日本の「個人情報保護法」の目的として、最も適切なものはどれ?
- A個人の権利利益を守りながら、個人情報が適正かつ有効に活用されるようにする
- B個人情報を外部に出すことを一切禁止し、企業が業務で使うことも認めないようにする
- C企業が集めた個人情報を国がすべて買い取り、国の機関がまとめて管理するようにする
- D作品を作った人の著作権を保護し、無断でコピーされることを取り締まるようにする
答えA 個人の権利利益を守りながら、個人情報が適正かつ有効に活用されるようにする
個人情報保護法は、私たちのプライバシー(個人の権利や利益)を守りつつ、企業などが集めた個人情報を正しく役立てられるようにバランスを取るための法律です。全く使わせない禁止法ではなく、「正しく安全に使うためのルール」だとイメージすると分かりやすいです。企業がこのルールを守っているかを見張る国の専門機関が「個人情報保護委員会」です。
問12個人情報保護法における「個人情報」の説明として正しいものはどれ?
- A氏名がそのまま書かれている情報だけが個人情報にあたり、生年月日や住所などそれ以外の情報は個人情報に含まれない
- B個人を特定できるかどうかに関わらず、企業の売上データや在庫情報のような業務上の数字もすべて個人情報に含まれる
- C紙に書かれた情報だけが個人情報保護法の対象であり、パソコンやスマートフォンに保存された電子データは対象に含まれない
- D氏名や生年月日など特定の個人を識別できる情報に加え、マイナンバーや指紋データのように単体で個人を特定できる「個人識別符号」も含まれる
答えD 氏名や生年月日など特定の個人を識別できる情報に加え、マイナンバーや指紋データのように単体で個人を特定できる「個人識別符号」も含まれる
個人情報とは、氏名・生年月日・住所など「その人だ」と分かる情報のことです。それに加えて、マイナンバーや指紋・顔の認証データのように、それ単体でも個人を特定できるもの(個人識別符号)も個人情報に含まれます。名前が書かれていなくても、特定できれば個人情報になり得る点がポイントです。
問13「要配慮個人情報」に当てはまるものはどれ?
- A氏名と組み合わされた勤務先のメールアドレスなど、仕事のやり取りで日常的に使われる連絡先の情報
- B病歴や信条、犯罪歴など、本人が不当な差別や偏見を受けないよう特に慎重な取り扱いが求められる情報
- C商品レビューに書き込まれた、購入者の感想や評価の星の数などの投稿内容
- D天気予報や交通情報のように、誰でも見られる形で公開されている公共のデータ
答えB 病歴や信条、犯罪歴など、本人が不当な差別や偏見を受けないよう特に慎重な取り扱いが求められる情報
要配慮個人情報とは、病歴・信条(宗教や思想)・犯罪歴など、本人が知られることで差別や偏見を受けるおそれがある、特に慎重に扱うべき個人情報のことです。「機微(センシティブ)情報」とも呼ばれ、通常の個人情報よりも厳しいルールで扱う必要があります。
問14事業者が要配慮個人情報(病歴や信条など特に慎重に扱うべき個人情報)を取得する際のルールとして正しいものはどれ?
- A本人に知らせないまま、必要に応じて自由に取得してよい
- B公的機関であれば、本人の同意なしに無制限に取得してよいとされている
- C原則として、あらかじめ本人の同意を得なければ取得できない
- D取得したあとに利用目的を一度公表すれば、本人の同意は不要になる
答えC 原則として、あらかじめ本人の同意を得なければ取得できない
要配慮個人情報は、差別や不利益につながりやすいため、通常の個人情報よりも厳しく扱われます。事業者が取得する際は、原則としてあらかじめ本人から「取得してよい」という同意を得ることが必要です(法律で定められた一部の例外を除く)。
問15「匿名加工情報」の説明として正しいものはどれ?
- A誰のデータか分からないように加工したうえで、元の個人情報には戻せないようにしてあるデータ
- B本人一人ひとりから同意を得なければ、作成することが一切できないデータ
- C氏名の一部を漢字からひらがなに書き換えただけで、そのほかはそのまま残したデータ
- D個人情報を暗号化しただけで、鍵さえあればいつでも元の状態に戻せるようにしたデータ
答えA 誰のデータか分からないように加工したうえで、元の個人情報には戻せないようにしてあるデータ
匿名加工情報とは、個人情報から特定の個人が分からないように加工し、しかも元の情報に戻せないようにしたデータのことです。例えば、複数人の購買データから名前や住所を消し、年代や地域といった大まかな情報だけを残すことで、統計・分析などに活用しやすくなります。
問16個人情報を扱う際に、名前や口座番号の一部を「****」のように隠して表示する加工手法を何という?
- A匿名加工情報
- B個人識別符号
- Cアカウンタビリティ(説明責任)
- Dマスキング
答えD マスキング
マスキングとは、名前の一部や口座番号、電話番号などをそのまま見せず「****」のように伏せて隠す加工方法です。誰が見ても内容が分かってしまわないようにするための、身近で分かりやすい個人情報保護の工夫の一つです。
問17生成AIに個人情報を入力する際の注意点として、最も適切なものはどれ?
- A生成AIに入力した情報は、入力した瞬間に法律上すべて開発会社自身の個人情報として扱われるため、利用者側は入力内容について一切責任を負わない
- B生成AIは仕組み上、入力された内容を一切記憶したり学習に使ったりできないようになっているため、どんな個人情報を入力しても外部に漏れる心配はない
- C入力した情報がAIの学習などに利用され、思わぬ形で外部に出てしまう可能性があるため、他人の個人情報や要配慮個人情報を安易に入力しない
- D個人情報を含む詳しい内容を入力すればするほど、その入力内容に応じてAIが出した回答の著作権が自動的に利用者本人に帰属するようになる
答えC 入力した情報がAIの学習などに利用され、思わぬ形で外部に出てしまう可能性があるため、他人の個人情報や要配慮個人情報を安易に入力しない
生成AIに入力した文章は、サービスによっては回答の改善やAIの学習に利用されることがあり、意図せず情報が外部に残ってしまう可能性があります。他人の氏名や病歴などの個人情報、特に要配慮個人情報(病歴や信条など特に慎重に扱うべき情報)を安易に入力しないことが大切です。
問18次のうち、一般的に「知的財産権」に分類されないものはどれ?
- A著作権(文章や絵、音楽など創作物を保護する権利)
- B肖像権(自分の顔や姿を勝手に撮影・公表されない権利)
- C特許権(新しい発明を独占的に使える権利)
- D商標権(商品名やロゴなどを保護する権利)
答えB 肖像権(自分の顔や姿を勝手に撮影・公表されない権利)
知的財産権とは、人が生み出したアイデアや創作物を守る権利の総称で、著作権(文章・絵・音楽などの創作物)、特許権(発明)、商標権(商品名やロゴ)、意匠権(デザイン)などが含まれます。一方、肖像権(自分の顔や姿を勝手に撮影・公開されない権利)は、人格そのものを守る「人格権」に分類され、知的財産権とは別の枠組みで考えられます。
問19著作権法によって保護される「著作物」の説明として正しいものはどれ?
- A思想や感情を創作的に表現したもの(小説、絵画、音楽、写真など)
- B誰が作っても同じになる単なる事実やデータの羅列
- Cありふれた挨拶文など、創作性のないありきたりな表現
- Dアイデアや作風そのもの(具体的な表現になっていないもの)
答えA 思想や感情を創作的に表現したもの(小説、絵画、音楽、写真など)
著作権は、「思想や感情を、その人らしく創作的に表現したもの」を保護します。小説や絵、音楽、写真などが当てはまります。単なる事実(今日の気温は25度、など)や、誰が書いても同じになるありふれた表現、具体的な形になっていない「アイデア」そのものには著作権は発生しません。生成AIも学習した膨大な文章や画像をもとに出力するため、既存の著作物とよく似たものを作ってしまうことがあり、著作権の考え方を知っておくことは生成AIを安全に使う上でも大切です。
問20生成AIが作った文章や画像が、既存の著作物に酷似してしまった場合について、正しい説明はどれ?
- AAIが生成した時点で、既存の著作権はすべて自動的に消滅する
- B生成AIを使ったことを明記しさえすれば、既存の著作物とどれだけ似ていても問題にならない
- C個人が非営利で使う場合に限り、既存の著作物とどれだけ似ていても著作権侵害には一切ならない
- DAIが自動で作ったものであっても、既存の著作物と酷似していれば著作権侵害にあたる可能性がある
答えD AIが自動で作ったものであっても、既存の著作物と酷似していれば著作権侵害にあたる可能性がある
生成AIは学習した大量のデータをもとに文章や画像を作るため、作った本人が意図していなくても、既存の作品ととても似た生成物ができてしまうことがあります。「AIが自動で作ったから」「悪気はなかったから」といって、著作権侵害の責任が免除されるわけではありません。公開する前に、似た作品がすでに存在しないか確認する習慣が大切です。また、AIが作った誤った内容をそのまま公開して他人の評判を傷つけると、名誉毀損(めいよきそん)という別の問題にもつながりかねません。
問21「肖像権」の説明として正しいものはどれ?
- A有名人だけに認められる、自分の写真を商品として売り出せる権利
- B自分の顔や姿を、他人に無断で撮影されたり公表されたりしない権利
- C自分が発明した新しい技術を、一定の期間だけ独占的に使える権利
- D自分が作った文章や絵などの作品を、無断でコピーされない権利
答えB 自分の顔や姿を、他人に無断で撮影されたり公表されたりしない権利
肖像権とは、自分の顔や姿を、他人に勝手に写真や動画に撮られたり、それを公表されたりしないようにする権利です。有名人・一般人を問わず誰にでも認められる権利で、たとえば友達が撮った写真を無断でSNSに載せられたくない、というのもこの権利に関わります。
問22有名人の氏名や肖像(顔・姿)が持つ「顧客を引き寄せる経済的な価値」を、本人が独占的にコントロールできる権利を何という?
- A肖像権
- Bプライバシーの権利
- Cパブリシティ権
- D著作者人格権
答えC パブリシティ権
パブリシティ権は、有名人の名前や顔が持つ「商品を売るための宣伝効果・経済的価値」を、本人が独占的に利用できる権利です。誰にでもある肖像権(勝手に撮影・公表されない権利)とは異なり、パブリシティ権は主に著名人の「顧客を引き寄せる力」という経済的な側面を守るためのものです。
問23生成AIを使って、実在する有名人にそっくりな顔の画像を無断で作成し、あたかも本人が商品を推薦しているかのように広告に使った場合、問題になり得る権利はどれ?
- A肖像権やパブリシティ権の侵害
- B特許権の侵害のみ
- C意匠権の侵害のみ
- D個人情報保護法における匿名加工情報の要件違反のみ
答えA 肖像権やパブリシティ権の侵害
生成AIで作った画像であっても、実在する有名人そっくりの顔を無断で使い、本人が商品を薦めているように見せかけると、無断で姿を使われない権利(肖像権)や、有名人の経済的価値を守る権利(パブリシティ権)を侵害するおそれがあります。「AIが作ったから問題ない」わけではない点に注意が必要です。
問24会社の非公開の技術情報や顧客リストなど、企業が秘密として管理している重要な情報を「営業秘密」として保護し、不正な持ち出しや利用を禁止している法律はどれ?
- A個人情報保護法
- B著作権法
- C不正アクセス禁止法
- D不正競争防止法
答えD 不正競争防止法
不正競争防止法は、企業が秘密として管理している技術情報や顧客リストなど(営業秘密)を、不正に持ち出したり他社が使ったりすることを禁止する法律です。IDやパスワードで管理・提供される限定的なデータ(限定提供データ)についても、不正な取得・使用を防ぐ規定があります。生成AIに社外秘の情報をうっかり入力すると、意図せず外部に漏れてしまい、この法律上の問題につながるおそれがあります。
問25AIが生成した画像や文章の著作権の考え方について、現在一般的とされる整理として最も適切なものはどれ?
- AAIが生成したものは、人間がどれだけ関わったかに関係なく、すべてAIの開発企業に著作権が帰属する
- BAIが生成したものは、指示を入力した利用者に、例外なく著作権が帰属すると決められている
- CAIが完全に自動で生成し、人間の創作的な関与がほとんどない生成物には、原則として著作権が発生しないと考えられている
- D生成AIを使った時点で、学習に使われたすべての作品の著作権が、自動的に利用者へ譲渡される
答えC AIが完全に自動で生成し、人間の創作的な関与がほとんどない生成物には、原則として著作権が発生しないと考えられている
著作権は「人間が思想や感情を創作的に表現したもの」に発生する権利です。そのため、AIが指示だけでほぼ自動的に作った生成物には、人間の創作的な関与が乏しい場合、原則として著作権は発生しないと考えられています。一方で、人間が詳細な指示や試行錯誤、選択・編集などで創作的に関わった度合いが大きい場合は、その部分に著作権が認められる余地があるとされ、今も議論が続いている分野です。
問26日本の「人間中心のAI社会原則」が掲げる3つの基本理念に当てはまらないものはどれ?
- A人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
- B経済成長を最優先する社会(Economic Growth First)
- C多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)
- D持続可能な社会(Sustainability)
答えB 経済成長を最優先する社会(Economic Growth First)
AI社会原則は、AIを活用する社会が目指すべき3つの基本理念として、「人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)」「多様な人々が、それぞれの幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)」「持続可能な社会(Sustainability)」を掲げています。経済成長そのものを最優先の理念として掲げているわけではありません。
問27AI社会原則における「人間中心の考え方」の説明として正しいものはどれ?
- AAIを人間の判断や尊厳を奪う存在ではなく、人間の生活や能力を支援する道具として活用するという考え方
- B重要な意思決定はすべてAIに任せ、人間は出てきた結果を受け入れるだけでよいという考え方
- CAIの性能を高めることを最優先し、人間の暮らしへの影響は後回しでよいという考え方
- DAIの開発や運用を人間の手で行うこと自体を指し、使い方の中身までは問わない考え方
答えA AIを人間の判断や尊厳を奪う存在ではなく、人間の生活や能力を支援する道具として活用するという考え方
「人間中心」とは、AIをあくまで人間の生活や能力を支える道具として使い、人間の基本的な権利や尊厳、大切な判断をAIに明け渡さない、という考え方です。AIに任せきりにするのではなく、最終的な責任や判断は人間が持つことを大切にしています。
問28AI社会原則の実践指針にある「透明性」と「アカウンタビリティ」の説明として正しいものはどれ?
- AAIの判断過程は企業秘密として非公開にし(透明性)、問題が起きたときは利用者側がすべての責任を負う(アカウンタビリティ)
- BAIの学習に使ったデータをすべて無償で一般に公開し(透明性)、誤った出力が出たときは自動的に金銭で賠償する(アカウンタビリティ)
- CAIの内部で使われている計算式をすべて国に届け出て(透明性)、AIが誤った場合は政府がまとめて訂正する(アカウンタビリティ)
- DAIがどのように判断したかを説明できるようにし(透明性)、問題が起きた際に責任を持って説明・対応できるようにする(アカウンタビリティ)
答えD AIがどのように判断したかを説明できるようにし(透明性)、問題が起きた際に責任を持って説明・対応できるようにする(アカウンタビリティ)
「透明性」は、AIがどんな理由でその判断をしたのかを、できるだけ分かるようにしておくことです。「アカウンタビリティ(説明責任)」は、AIの利用で問題が起きたときに、開発者や提供者がきちんと説明し責任を持って対応できるようにしておくことです。「ブラックボックスのまま放置しない」というイメージです。
問29「AIガバナンスの構築」における取り組みとして適切なものはどれ?
- AAIによって生まれるリスクを避けるため、組織内でのAIの開発・利用そのものを社内規程で全面的に禁止し、一切使わせないようにする
- BAIのリスクと便益を継続的に評価し、組織内のルール(AIマネジメントシステムなど)を整えて適切に管理・改善していく仕組みをつくる
- C最初に整備したルールや管理の仕組みは、AIの使われ方が変化しても一度決めたら見直さず、そのままの内容で運用し続ける
- DAIに関する判断をすべて現場の担当者個人の裁量に任せ、組織としてのルールは作らない
答えB AIのリスクと便益を継続的に評価し、組織内のルール(AIマネジメントシステムなど)を整えて適切に管理・改善していく仕組みをつくる
AIガバナンスとは、AIを安全かつ有効に活用するために、組織としてリスクと便益を継続的にチェックし、ルールや管理の仕組み(AIマネジメントシステム)を整えて、必要に応じて見直し・改善していく取り組みです。一度作って終わりではなく、継続的に回していく点がポイントです。
問30AI事業者ガイドラインが示す「AIの事業活動を担う3つの主体」の組み合わせとして正しいものはどれ?
- AAI研究者、AI販売者、AI消費者(AI Consumer)
- BAI設計者、AI運用者、AI監査人(AI Auditor)
- CAI開発者、AI提供者、AI利用者(AI Business User)
- DAI製造者、AI輸入者、AI販売店(AI Reseller)
答えC AI開発者、AI提供者、AI利用者(AI Business User)
AI事業者ガイドライン(国がまとめた、AIを事業で扱う人たちのための手引き)では、AIモデルなどを作る「AI開発者」、それをサービスとして組み立てて提供する「AI提供者」、業務でそのAIサービスを利用する「AI利用者(AI Business User)」という3つの立場を挙げています。それぞれの立場に応じて、気をつけるべき責任やポイントが異なります。
問31AI社会原則が求める「公正競争確保」の考え方として適切なものはどれ?
- A特定の企業がAI技術や関連データを独占し、他の企業が公正に競争できなくなる状況を防ぐ
- BAI関連の企業同士が話し合って、サービスの価格を同じ水準にそろえることを推奨する
- CAI技術は品質を保つために、必ず一つの企業だけが開発・提供すべきだとする
- D海外企業のAIサービスは国内企業を守るために全面的に禁止すべきだとする
答えA 特定の企業がAI技術や関連データを独占し、他の企業が公正に競争できなくなる状況を防ぐ
公正競争確保とは、一部の企業がAIの技術やデータを独占してしまい、他の企業が対等な立場で競争できなくなる状況を防ごう、という考え方です。特定のプレイヤーだけが得をする独占状態ではなく、多くの企業が公正に競い合い、イノベーション(技術革新)が生まれやすい環境を保つことを目指しています。
問322025年6月4日に公布された、日本のAIに関する新しい法律(通称「AI新法」)の正式名称として正しいものはどれ?
- A人工知能の開発及び利用の適正化並びに規制の実施に関する法律
- B人工知能関連事業者の届出及び監督等に関する法律
- C生成人工知能の利用の制限及び罰則に関する法律
- D人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
答えD 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
「AI新法」の正式名称は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」で、2025年6月4日に公布されました。名前の通り、AIの研究開発や活用を「推進する(後押しする)」ことを主な目的とした法律です。
問33日本の「AI新法」の基本的な性格について、正しい説明はどれ?
- AAIの開発・提供・利用のすべてについて、事前に国の許可を受けなければならない許可制の規制法である
- B違反に対する罰則を中心とした厳しい規制法ではなく、AIの研究開発・活用を後押しすることを主な目的とした法律である
- CAIを使ってトラブルを起こした企業に、一律で高額の罰金を科すことを目的とした法律である
- D海外の企業が提供するAIサービスについて、国内での利用を全面的に禁止することを定めた法律である
答えB 違反に対する罰則を中心とした厳しい規制法ではなく、AIの研究開発・活用を後押しすることを主な目的とした法律である
AI新法は、EU(ヨーロッパ連合)のAI規制法のような、違反への罰則を中心にした厳しい規制の枠組みとは性格が異なります。日本のAI新法は、AIの研究開発や活用をむしろ後押し(推進)することを主な目的としており、AI全般を幅広く罰則付きで規制する専用の法律は、2026年時点の日本にはまだない、という点を押さえておくことが大切です。
問34「AI新法」と「AI事業者ガイドライン」の関係について、適切な説明はどれ?
- AAI新法は違反企業への罰則を中心にAI開発を細かく規制する法律であり、AI事業者ガイドラインはその罰則を適用するときの手続きの流れを定めた下位規則である
- BAI事業者ガイドラインのほうが法律としての強制力を持っており、内容が食い違う場合にはAI新法よりもガイドラインが優先して適用されることになっている
- CAI新法が研究開発・活用の推進という大きな方向性を示す一方、AI事業者ガイドラインは開発者・提供者・利用者それぞれが実務で気をつけるべき具体的な指針を示している
- DAI新法は個人が生成AIを利用する際の届け出を義務づける法律で、AI事業者ガイドラインはその届け出に使う書式や記入例をまとめた手引きである
答えC AI新法が研究開発・活用の推進という大きな方向性を示す一方、AI事業者ガイドラインは開発者・提供者・利用者それぞれが実務で気をつけるべき具体的な指針を示している
AI新法は、AIの研究開発・活用を推進するという国としての大きな方向性を示す法律です。一方、AI事業者ガイドラインは、AI開発者・AI提供者・AI利用者それぞれが実際の現場で気をつけるべき、より具体的な指針をまとめたものです。法律が大きな方針を、ガイドラインが実務の目安を示すという、補い合う関係にあります。
問35IDとパスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードや指紋などを組み合わせて本人確認を行う仕組みを何という?
- Aフィルタリング(有害なサイトへのアクセスを制限する仕組み)
- Bマスキング(データの一部を伏せ字にして隠す処理)
- C二要素認証(多要素認証)
- Dシングルサインオン(一度のログインで複数のサービスに入れる仕組み)
答えC 二要素認証(多要素認証)
二要素認証(多要素認証)とは、パスワード(知っているもの)に加えて、スマートフォンに届く確認コード(持っているもの)や指紋(本人そのもの)など、種類の違う確認方法を組み合わせて本人確認を行う仕組みです。万が一パスワードが盗まれても、もう一つの関門があるため、不正ログインの危険を大きく減らせます。
問36パスワードの管理方法として、最も適切なものはどれ?
- A覚えやすいように、すべてのサービスで同じパスワードを使い回す
- Bサービスごとに異なる、推測されにくいパスワードを設定する
- C誕生日や電話番号など、自分に関係のある数字を組み合わせて設定する
- Dパスワードは短くシンプルにして、入力ミスを減らすことを優先する
答えB サービスごとに異なる、推測されにくいパスワードを設定する
パスワードの使い回しは、どこか1つのサービスから情報が漏れると、他のサービスにもまとめて不正ログインされる危険につながります。サービスごとに異なる、推測されにくいパスワードを設定することが基本です。誕生日や電話番号は本人と結びつけて推測されやすいため避けましょう。
問37日本の著作権法における「AIの学習のために他人の著作物を利用すること」の扱いについて、最も適切な説明はどれか。
- A公開されている著作物を学習に使う場合は、著作権者への利用料の支払いが法律で義務付けられている
- B情報解析などの目的であれば原則として許諾なく利用できるが、著作権者の利益を不当に害する場合は認められない
- CAIの学習に利用できるのは、著作権の保護期間が終了した古い作品に限られている
- D学習のための利用は営利企業には認められておらず、大学などの研究機関に限って認められている
答えB 情報解析などの目的であれば原則として許諾なく利用できるが、著作権者の利益を不当に害する場合は認められない
日本の著作権法には、AIの学習のような「情報解析」のためであれば、原則として許諾なく著作物を利用できるという定めがあります。ただし無制限ではなく、著作権者の利益を不当に害することになる場合は認められません。「学習の段階では広く認められるが、生成物が既存の作品に似すぎれば侵害になり得る」という2段階で考えると整理しやすいです。
問38会社のロゴマークや商品名のように、自社の商品・サービスを他社のものと区別するための目印を保護する権利はどれ?
- A著作権
- B意匠権
- C特許権
- D商標権
答えD 商標権
商標権は、会社のロゴや商品名など、自社の商品・サービスを他社と区別するための「目印(ブランド)」を保護する権利です。似た権利に、発明を守る特許権、製品のデザインを守る意匠権があります。生成AIで作った画像やロゴを商用利用するときは、既存の商標と似ていないかにも注意が必要です。
問39著作権が発生するのはいつですか。
- A作品を創作した時点で自動的に発生する
- B特許庁に出願して登録された時点で発生する
- C作品を初めて販売した時点で発生する
- D作者が権利を主張すると宣言した時点で発生する
答えA 作品を創作した時点で自動的に発生する
著作権は、創作した時点でひとりでに発生します。特許権・商標権・意匠権が特許庁への出願を必要とするのに対し、著作権は出願も審査も要りません。ここが大きな違いで、試験でもよく問われます。
問40個人が創作した著作物の、著作権による保護期間は原則としてどれですか。
- A著作者の死後70年間
- B著作者の死後20年間
- C作品を公表してから10年間
- D作品を創作してから25年間
答えA 著作者の死後70年間
個人の著作物は著作者の死後70年間、会社などの団体の著作物は公表後70年間が原則です。誤答に挙げた20年は特許権(出願日から)、10年は商標権(登録日から・更新可)、25年は意匠権(出願日から)の期間です。
問41他人の著作物の扱いについて、正しい説明はどれですか。
- A家庭内で楽しむ範囲を超えてSNSに公開すると問題になりうる
- B商用でなければ、どこに公開しても問題になることはない
- C出典さえ書いておけば、無断で全文を公開してよい
- D自分で買った作品であれば、公開の仕方は自由である
答えA 家庭内で楽しむ範囲を超えてSNSに公開すると問題になりうる
個人や家庭、ごく親しい少人数の範囲で使う分には私的使用にあたり、著作権侵害にはなりません。ただし商用でなくても、インターネットやSNSで公開すると侵害になるおそれがあります。「無料だから大丈夫」という線引きではない点に注意します。
問42特許権の保護期間について、正しいものはどれですか。
- A出願日から20年後に終了する
- B登録日から10年で終了し、更新できる
- C発明者の死後70年まで続く
- D出願日から25年後に終了する
答えA 出願日から20年後に終了する
特許権は登録された日から効力を持ち、出願日から数えて20年後に終わります。商標権は登録日から10年で、こちらは更新できます。意匠権は出願日から25年後までです。数字の組み合わせを取り違えないようにしましょう。
問43知的財産権のうち、更新を繰り返せば半永久的に持ち続けられるものはどれですか。
- A商標権
- B特許権
- C意匠権
- D著作権
答えA 商標権
商標権は登録日から10年ですが、更新の手続きを取れば使い続けられます。商標は商品やサービスを見分けるための目印なので、使っている限り守る意味があるためです。特許権・意匠権・著作権には、このような更新の仕組みがありません。
問44意匠権で保護される対象として、正しいものはどれですか。
- A画面に表示されるアイコンや、店の内装のデザイン
- B商品につけられたキャッチフレーズや宣伝用の音楽
- C小説やブログ記事など、文章で表現されたもの
- D薬の成分の組み合わせなど、技術的なアイデア
答えA 画面に表示されるアイコンや、店の内装のデザイン
意匠は、物品・建築物・画像などのデザインが対象です。家具の形、機械製品の外形、オフィスや店の内装、端末に表示されるアイコンなどが含まれます。誤答は順に商標、著作物、発明(特許)の対象です。
問45情報が「営業秘密」として保護されるために満たす必要がある3つの条件はどれですか。
- A秘密管理性・有用性・非公知性
- B新規性・進歩性・産業上の利用可能性
- C類似性・依拠性・公表性
- D独自性・希少性・経済性
答えA 秘密管理性・有用性・非公知性
秘密として適正に管理されていること(秘密管理性)、事業に役立つこと(有用性)、世に知られていないこと(非公知性)の3つです。具体例には、設計図や実験データ、営業マニュアル、仕入れ先や顧客の一覧などが挙げられます。
問46不正競争防止法の「限定提供データ」について、正しい説明はどれですか。
- A秘密として管理されていることまでは求められない
- B誰にでも広く提供されているデータが対象になる
- C少量のデータであるほど手厚く保護される
- D紙で保管されているデータだけが対象になる
答えA 秘密として管理されていることまでは求められない
限定提供データは、まとまった量が蓄積され、特定の相手に限って提供され、IDやパスワードなどで管理されているデータです。営業秘密と違って秘密管理性は条件になっていませんが、不正に取得・使用・開示する行為からは守られます。
問47肖像権の侵害にあたるかどうかは、何を基準に判断されますか。
- A社会生活で我慢すべき限度を超えるかどうか
- B撮影に使われた機材が業務用かどうか
- C写真や動画が加工されているかどうか
- D撮られた人が有名人であるかどうか
答えA 社会生活で我慢すべき限度を超えるかどうか
撮られた人の立場、場所、目的、撮り方などを合わせて考え、その人の人格的な利益を損ない、社会生活上の受忍の限度(この程度までは我慢すべきとされる範囲)を超えるかで判断されます。被写体を特定できる、許可がない、拡散されやすい場に投稿している、自宅や病室など私的な場所である、といった条件が重なるほど侵害になりやすくなります。
問48生成AIの使い方として、特許侵害のおそれがあるのはどれですか。
- A特許で守られた発明の内容を入力し、その生成物を使う
- B自分で考えた企画の要点を入力し、文章に整えてもらう
- C公開されている法令の条文を入力し、要約してもらう
- D自社で撮影した写真を入力し、説明文を書いてもらう
答えA 特許で守られた発明の内容を入力し、その生成物を使う
特許公報(特許の内容が書かれた公開の書類)に載っている発明の内容や、特許で守られた製品の構造・機能を生成AIに入力し、出てきたものを使うと、特許侵害のおそれがあります。入力する情報が誰の権利にかかるものかを見る習慣が要ります。
問49生成AIの生成物が、たまたま他人の特許で守られた発明と一致してしまった場合はどうなりますか。
- Aまねる意図がなくても、それを使えば特許侵害になる
- Bまねる意図がなければ、特許侵害にはならない
- C生成AIが作ったものなので、利用者に責任は生じない
- D特許庁に届け出れば、そのまま使うことができる
答えA まねる意図がなくても、それを使えば特許侵害になる
入力した内容が特許の発明と違っていても、出てきたものが偶然一致してしまえば、その事実を知らずに使っても特許侵害になります。商標権と意匠権も同じ考え方です。「知らなかった」「まねる気はなかった」は理由になりません。
問50生成AIの生成物がたまたま既存の著作物と似てしまった場合、著作権侵害の扱いはどうなりますか。
- A元の作品に基づいて作ったと認められなければ、原則侵害にならない
- B似ている時点で、事情にかかわらず必ず侵害になる
- C商用で使わない限り、どのような場合も侵害にならない
- D生成AIが作ったものは、著作権の対象外なので侵害にならない
答えA 元の作品に基づいて作ったと認められなければ、原則侵害にならない
著作権侵害は、似ていること(類似性)と、元の作品に基づいて作ったこと(依拠性)の両方がそろって認められます。偶然似ただけで依拠性が否定されれば、原則として侵害にはなりません。**特許・商標・意匠は偶然の一致でも侵害になる**ので、著作権だけ扱いが違う点が要注意です。
問51生成AIを使うとき、特許権や意匠権を侵すおそれを消しきれない場合の対応はどれですか。
- Aクリアランス調査を行って権利を確かめる
- B生成物にAIが作ったと注記を入れて公開する
- C利用規約に免責の一文を加えておく
- D生成に使った指示文を保存しておく
答えA クリアランス調査を行って権利を確かめる
権利を侵していないかを事前に調べるのがクリアランス調査です。加えて、入力の段階でも生成物を使う段階でも、権利で守られていない技術やデザインだけを使う、という進め方が防止策として挙げられています。
問52生成AIの利用で著作権侵害を防ぐ方法として、最も適切なものはどれですか。
- A自分で作った文章や画像だけを入力し、他人のものは使わない
- B他人の作品を入力するときは、出典を書き添えておく
- C生成物を公開する前に、必ず有料プランに切り替える
- D生成AIの提供会社に、事前に使用許可を申請する
答えA 自分で作った文章や画像だけを入力し、他人のものは使わない
入力するときも生成物を使うときも、自分で創作したものを用い、他人の文章・画像・音楽は使わないのが基本です。入力の段階では、指示や質問といった著作物でない情報だけを入れる、という進め方も挙げられています。
問53会社の営業秘密を生成AIに入力することについて、正しい説明はどれですか。
- A入力すること自体を避けるべきだとされている
- B社内の業務であれば、入力しても問題にならない
- C入力後にその会話を削除すれば、問題は生じない
- D有料プランを使っていれば、入力してよいとされる
答えA 入力すること自体を避けるべきだとされている
営業秘密を入力し、その生成物を使う行為は、不正競争防止法に触れるおそれがあります。そのため、入力すること自体を避けるべきだとされています。さらに、際限なく入力すると、営業秘密の条件である秘密管理性を失わせてしまう危険もあります。
問54AIを活用して生まれた発明が「人の発明」と認められるのは、どのような場合ですか。
- A人が創作的に関与し、発明の特徴を形にした場合
- BAIの利用料を人がきちんと支払っている場合
- C発明の内容を人が正しく理解できている場合
- DAIの提供会社が事前に許可を出している場合
答えA 人が創作的に関与し、発明の特徴を形にした場合
特許庁の見解では、発明の技術的な特徴を形にするところに創作的に関わった人が発明者とされます。学習用データを選んだり、学習済みモデルに指示を出したりして人が関わっていれば、人の発明と認められると考えられています。
問55人がまったく創作に関与していない、AIだけによる発明の扱いはどうなりますか。
- A日本では人の発明と認められず、特許を取ることができない
- BAIを開発した会社が発明者として登録される
- CAIの利用者が自動的に発明者として扱われる
- D国が代わりに権利を持ち、公開して自由に使わせる
答えA 日本では人の発明と認められず、特許を取ることができない
日本では、人が創作活動に関わっていないAIによる発明は人の発明とは認められず、特許を受ける権利そのものが発生しません。意匠についても同じ考え方で、意匠登録を受ける権利が発生しないとされています。
問56生成AIが作り出した商標(名称やロゴマーク)の扱いとして、正しいものはどれですか。
- A人が作った商標と同じように、商標権の保護対象になり得る
- BAIが作ったものなので、商標権の対象には一切ならない
- C人が手を加えて修正した場合に限り、対象になる
- D海外で登録した場合に限り、対象になる
答えA 人が作った商標と同じように、商標権の保護対象になり得る
商標法は、商標を創作したことにではなく、商標を使うことに対して権利を与える考え方をとっています。そのため、誰が作ったかは問われず、生成AIが作った商標でも保護の対象になり得ます。発明や意匠とは考え方が違う点が特徴です。
問57文化庁の見解では、AIを使って作ったものが著作物と認められるかは何で判断されますか。
- A人に創作意図があり、創作的寄与と認められる行為をしたか
- B生成にかかった時間と、指示文の長さがどれだけか
- C有料のサービスを使って生成したものかどうか
- D生成物が既存の作品と似ていないかどうか
答えA 人に創作意図があり、創作的寄与と認められる行為をしたか
人が思いや考えを表現するための道具としてAIを使ったと認められれば著作物にあたり、その利用者が著作者になると考えられています。判断は、創作しようという意図があったか、創作的寄与といえる行為をしたか、の2点です。何も指示せずに生成のボタンを押しただけのものは、著作物に当たらないとされています。
問58生成AIが作り出した情報が、営業秘密として保護されることはありますか。
- A3つの条件を満たせば保護される
- B人が作ったものではないので保護されない
- C特許庁に登録した場合に限り保護される
- D社内で使う場合に限り保護される
答えA 3つの条件を満たせば保護される
営業秘密は、人が生み出したものである必要がありません。秘密管理性・有用性・非公知性の3つを満たしていれば、生成AIが作った情報でも営業秘密として保護されます。発明や著作物とは違い、作り手が人かどうかを問わない点が特徴です。
問59AI事業者ガイドラインが定める「共通の指針」は、いくつの項目で整理されていますか。
- A10項目
- B3項目
- C5項目
- D12項目
答えA 10項目
人間中心・安全性・公平性・プライバシー保護・セキュリティ確保・透明性・アカウンタビリティ・教育/リテラシー・公正競争確保・イノベーションの10項目です。誤答の3は基本理念の数、12は高度なAIシステムに関わる事業者向けの指針の数です。
問60AI事業者ガイドラインについて、正しい説明はどれですか。
- A経済産業省と総務省がまとめ、第1.1版まで公表されている
- B特許庁が単独でまとめ、法的な罰則を定めている
- C国際連合が定め、加盟国に遵守を義務づけている
- D民間の業界団体が作り、会員企業だけに適用される
答えA 経済産業省と総務省がまとめ、第1.1版まで公表されている
2024年4月に経済産業省と総務省が既存のガイドラインを統合して第1.0版を公表し、2025年3月に第1.1版が出ています。あくまで自主的な取り組みを促すもので、法的な拘束力や罰則はありません。
問61AI新法によって内閣に設置されることになった組織はどれですか。
- AAI戦略本部(首相が本部長を務める)
- BAI審査委員会(有識者だけで構成する)
- CAI規制庁(違反を取り締まる専門の官庁)
- DAI認証機構(民間企業が運営する)
答えA AI戦略本部(首相が本部長を務める)
司令塔として内閣にAI戦略本部が置かれ、首相が本部長を務め、全閣僚が参加します。AI新法は全4章28条で、公布は2025年6月4日です。取り締まる官庁を作る法律ではない点に注意します。
問62AI新法で「活用事業者」に課されている協力義務の強さは、どのように定められていますか。
- A他の主体より強く、協力しなければならないとされている
- B他の主体と同じく、努めるものとするとされている
- C義務はなく、任意の協力にとどまるとされている
- D違反すると刑事罰が科されると定められている
答えA 他の主体より強く、協力しなければならないとされている
AI新法では、主体によって義務の強さが違います。多くの主体には「努めるものとする」という努力義務が置かれる一方、活用事業者だけは「協力しなければならない」という一段強い書き方になっています。ただしAI新法に罰則の規定はなく、国が行うのは調査や指導・助言といった対応です。
問63「機微(センシティブ)情報」という呼び方は、何を指していますか。
- A要配慮個人情報の別の呼び方
- B匿名加工情報の別の呼び方
- C限定提供データの別の呼び方
- D営業秘密の別の呼び方
答えA 要配慮個人情報の別の呼び方
病歴・信条・犯罪歴のように、知られると差別や偏見につながりかねない個人情報が要配慮個人情報で、機微(センシティブ)情報とも呼ばれます。通常の個人情報より厳しい扱いが求められ、取得にあたっては原則として本人の同意が要ります。
問64次のうち、機微(センシティブ)情報に当てはまらないものはどれですか。
- A会員登録に使ったメールアドレス
- B過去にかかった病気の診療の記録
- C本人が信仰している宗教のこと
- D犯罪の被害を受けたという事実
答えA 会員登録に使ったメールアドレス
メールアドレスは個人情報ではありますが、知られることで差別や偏見に直結する種類のものではないため、機微情報にはあたりません。誤答の3つ——診療の記録、信仰、犯罪の被害を受けた事実——はいずれも要配慮個人情報にあたり、慎重な扱いが要ります。
問65肖像権やパブリシティ権を侵害した場合に生じる責任として、正しい説明はどれですか。
- A差止めや損害賠償の対象になるが、刑事罰の定めはない
- B差止めも損害賠償もなく、刑事罰だけが科される
- C差止めのみが認められ、損害賠償は請求できない
- Dどちらの権利も法律に定めがなく、責任は生じない
答えA 差止めや損害賠償の対象になるが、刑事罰の定めはない
肖像権もパブリシティ権も、条文で定められた権利ではなく、裁判の積み重ね(判例)で認められてきた権利です。侵害が認められれば、その行為をやめさせる差止めや、損害賠償の支払いが生じます。一方で刑法に定めがないため、刑事上の責任までは問われません。ただし「刑事罰がない=責任がない」ではない点に注意します。
最終更新:(運営:Meritorious)
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